ひばりヶ丘鉄道の一日(小説版)

□プロローグ『この空の向こうには』
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0,ひばりヶ丘鉄道にて…

 とある日のひばりヶ丘鉄道緑川検修区。
 いつものように運用を終えて、681系が入庫した。
「ふぅ…。今日も運用疲れたわ。」
「お疲れ様、サンダーバード。今日も一日、よく頑張ってくれたわね。」
 きららPが運転席から降りると、終業点検を始める。
「こんなに忙しいと、あおぞら銀河鉄道にいた頃を思い出すわね。あの頃はまだ新米で、美住Pさんや絵美Pさんにお世話になりながら、立派な運転士になるために、頑張っていたわ。」
 2ヶ月くらい前までの6年間、あおぞら銀河鉄道という鉄道に在籍していた。立派な運転士になるという夢を叶えるため、精一杯頑張ってきたつもりだ。
「でも私は、このひばりヶ丘鉄道の力になりたくて、あおぞら銀河鉄道を辞めたわ。」 
「あの時の決断は、無駄じゃなかったと思いますよ。確かにあの決断を聞いた時、私は驚きました。でも、その決断を素直に認めてくれた、美住Pさんには感謝しないといけませんね。」
「そうね。本当に、美住Pさんには感謝しないといけないわね。私に371系を運転させてくれたり、蒸気機関車を運転できるように教えてくれたり、本当にいい人だったわ。」
 その時、きららPはふと思い出した。それまでずっと忙しくて、手紙も書いていなかったことを。
「サンダーバードがパートナーになった後も、運転技術を分かりやすく教えてくれたりしたしね。そろそろ、手紙でも書いて、送ろうかな?」
 終業点検を終えると、きららPは寮に戻った。そして机の上に便箋を出すと、手紙を書き始めた。
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