【小説】
□可愛い君のね
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ある昼下がり…
近藤家の庭にいるのは
俺、そしてかっちゃん、
んで、洗濯物を干すガキ。
『総悟…近藤さんたちと遊ぼっかぁーvV』
このガキがここに来てからと言うもの、
かっちゃんはコイツにやたら気を使っているように見える。
『…総ーー悟ぉーー』
『やめとけかっちゃん無駄だ。』
先程からかっちゃんが何度話し掛けてもガキは無視で、
ただ黙々と洗濯物を干すだけ。
見ているだけのこっちだっていい加減腹が立ってくるわけよ……
『…総ーーVvV』
それでもだんまり……
『いーかげんにしろよなッッ』
気が付けば俺は
ガキの胸ぐらを掴んで
怒鳴ってしまっていた。
『……ぁ………』
やってしまった…
…とっさのことで
かっちゃんは目を見開いて固まってしまっていて、
『…ちッ……悪かった……』
そう言って
この軽すぎる身体を地面に降ろした瞬間だった。
真っ青な顔をして……
よろめきながら…
走って飛び出していってしまった。
、
バキッッ
『トシッッ!!!
お前ッッ………』
俺を殴り、
そう怒り狂った、
そしてどこか哀しげな表情を浮かべると
かっちゃんは
あいつを追い掛けていった。
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