【小説】

□夏の…
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誰もが唸るほどの炎天下…

…今日一日だけでも、およそ300人もの人が熱中症で倒れたと聞いている…。


…それは土方にとっても例外ではなく、あまりもの暑さに、

普段の真面目な様子からは予想のつかぬ程に隊服を着崩している彼の姿があった…


…しかし、周りを見渡しても、
着崩しているのは土方だけではなくて、そのほとんどが、
…例の、沖田の作ったロッカー仕様の隊服を着ていたのだった。

…奇妙な光景である…

だが、そんな中、その遊びの産物を作った本人がいないことに、土方は気が付いた。


(…あいつどこ行ったんだ…?)

…そこで、土方は沖田の部屋に行ってみることにした。


…どうせ暑いからってクーラーの効いた部屋で昼寝でもしてんだろ…


なんて思っていたら…


『こいつマジで寝てやがる…』


沖田は、…いつもの奇妙なアイマスクをつけ長袖の隊服をきっちりと着込んで眠っていた。


…きっちり……………?


考えてみると沖田は夏に入ってからも、私服も隊服もずっと長袖であることに気が付く…………


『…こいつ…』

土方は膝を付き、沖田の袖を捲った。


『…うぉッッ…!!?』
沖田は、その感触に目を覚ましたようだ…


そして、そんな沖田の目に映ったのは…………、


自分の腕を掴み


…怒り狂った顔の…


『…あり、土方さん…?』

『あり?じゃねーよ!こんの馬鹿ッッ!!
何だよッッこの鳥ガラみてーな腕は!?ささやかな肉はドコ落としてきた肉!!』

『…ぉぉ……一息に言いやしたね…

でも安心してくだせぇや…ただの初期当たりなんで』

と、沖田は怒る土方の肩をぽんぽんと叩き、なだめた。

『あほ!!【暑気当たり】だッッ!勉強しろ!てかメシ食ってんのかよ!?』


『食ってやすよ〜〜…てか腕離してくれやせんかねィ』

『…こんの…阿呆ッ……』

…あんたには関係ねーじゃん…と、沖田は思ったが、これ以上土方を怒らせると、面倒臭いので、何も言わなかった。


すると
『はぁ………ι…前から聞きたかったんだけどさ…

おまえ…拒食か…?』

…近藤さんも、ほかの隊士も心配してっぞ……

と、付け足し土方は言った。

…ガブゥッ!!!

『痛ぇ!!』

…沖田は土方の腕に噛み付いた。

『…にすんだよ…!!くそガキ!』

予想だにしていなかった痛みに耐えながら
怒鳴り付ける



『…大きなお世話でィ…』

…明らかに機嫌を損ねてしまった沖田…


その言葉だけを残し、部屋を出ていってしまったのだった…


相も変わらず…きっちりと隊服を着込んで…


『…隠すなよ…』


土方は、先程まで沖田の眠っていた場所に寝転び、


腕を目のうえに乗せ、眠りの態勢についたのだった…


その後、沖田が倒れたのはまた別のお話……



. END

すぃません。。ゎたしの沖田さんへのイメージは、こんなんばっかです『笑』

病弱、はかない、クール
…みなぃな

すぃませんでした。。

051219

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