If they are...

□バレンタイン
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翌朝。



若干寝ぼけ気味で自室のドアを開けると、
すぐ目の前にサスケが現れた。



「うわっ…びっくりした…。」



何だコイツ…朝っぱらから…。



「何…?何か用…?」



またチョコくれとか騒ぎに来たんじゃねーだろーなぁ?



「お前…いきなり開けんなよ心臓に悪い…。」

「いや、それはそこに立ってるサスケがいけないんだろ。」

「俺は悪くない。」

「ああ、そうですか。」



ホント…朝から疲れるよなぁ…。



「でさ…おまえさぁ…ナルト…
マジで愛の印とかくれねーの?」


サスケは腰に手を当てて、見上げるように俺に再度確認をしてくる。



…その話なら昨日したのに。



「うん。」


俺は簡潔に答えてやった。


「…マジで?」


眉間にシワを作りながらまた聞いてきた。


「マジで。」


俺はなるべく表情を作らないようにして、同じようなことをもう一度言う。


「…。」


サスケは俺の解答を聞くと、しかめっ面をしたまま閉口した。


それからドアの縁に両手をつくと、ぐいっと顔を近づけてくる。


「…な…何…?」


奴のキレーな顔を間近で見て、少々照れる俺はたぶんバカだ。


「…愛の印くれなになら…いいや。」

「え…?」



何それ?あきらめ早ッ!!



「その代わり!!」


突然声を張り上げるサスケ。


部屋の奥にいた俺の同室人のシカマルが、そのサスケの声にびびったのかハブラシを落とす音が聞こえた。



「…破局な?」

「…は?」


そこだけ声をひそめたからよく聞こえなかったけど…
それはつまり、チョコくれないんだったら別れようと言うことですか?





…勝手すぎるだろ!!





「いいな?ということだ。さよなら〜。」


軽く手を振り、部屋を後にしようとするサスケ。


俺は慌てて奴の手首をつかむ。


「嫌だ!!」

「…。」


サスケは少し唇をとがらせながらこっちに顔を向けた。


「破局は…嫌だ。」


正直に自分の気持ちを伝えてみたけど、
彼はそんなの関係ないとばかりに俺の手を振り払い、さっさと姿を消してしまった。



「…。」


ドアの入り口のところに取り残された俺。


「さいあく…」


顔を手で覆い、その場にしゃがみ込む。



まさかこんな事態になるなんて…。




やっべー、超、泣きそう…。








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