If they are...

□冬の温もり
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「あ、これから俺の部屋来いよ。」


突如そんなことを言い出すサスケ。


「実は、俺の部屋のもう一人の住人がさ、やけに寒がりな野郎で。
毎日暖房ガンガンなんだよ。
だから来いよ。来て損はねぇって。暖かいぞー?」


サスケは目を輝かせて誘ってくるけど

ぶっちゃけ俺は行く気がない。


「何だよ乗り気じゃねーだろその顔は…。」

「だってサスケ…
毎回お前の部屋に行くたんびに俺変なことされそうになってんじゃん…。
嫌だよいきたくねーよ。」

「だだっ子かあんたは。
俺が来いっつったら来る!!これ常識。」

「んな自己中な常識あってたまるか!!」

「自己中!?なにいってるんだよお前!!
世界は俺中心に回ってるんだ!!
俺が自己中なんてこと、絶対ない!!」

「ダメだコイツ…。」

いつからこんなお馬鹿になった…?

「あ゙?なんか言ったか?」

「別に。」

「はぁ?
…まあいいや。とにかく来い。俺が言うからには絶対来い。」

「え゙ー…。」


サスケは鼻息を荒くしてズンズンと俺の手を引っ張って自分の部屋へと歩き出す。


「もー…、いてーよ引っ張るなよー…。」


手を振り解こうとしても意味がないことはさっき学習したから、
後は仕方なくサスケに引っ張られるがまま彼の部屋までついていく。


「なぁ…サスケの部屋行っても、変なことぜってーすんなよ?」

「しねーよ。」


念を押して聞いてみたけど
変態サスケのことだから嫌だとか即答するんだろうな…と思っていたから
案外まともな返事が返ってきて少々安心した。


「俺は夜やる派だから。」


最後にそう付け足す。


「ああ…やる気っちゃーやる気なのな。」

「まあなw」


夜は絶対サスケの部屋には行かないようにしよう。



そんな決心を固めていると
『サスケ&水月の部屋。
ノックしないで入ったら殺す』
という脅迫状みたいな札がかかったドアの前にたどり着いた。


部屋主のサスケは札を無視してノックなしにドアを開ける。


「俺の部屋は暖かいんだぜ〜?」


俺の手を引いてスキップで自室に入っていくサスケ。

俺も続いて入ってみた。


「な?あったかい…」

「ホントだ…あったか…」


"あったかい"と言おうとしたけど、
この部屋のもう一人の主が布団にくるまって鼻水をすすっているのを見て言葉を濁した。


「あったか…くねぇ!!」

「騙したなサスケ!!」

「いやちょっと待って!!俺騙したつもりなんてないんだけど!!」

「じゃあなんで外と同じ気温なんだよ!!」

「俺が知るか!!
おい水月!!お前なんで暖房つけてねーんだよ!!いつもはガンガンであちーくらいなのに!!」


サスケは毛布にくるまれている白髪に向かって怒鳴りつける。


「そんな、僕のこと攻めないでよ…。
いきなり客人が来てさ…暑い!!とか言って暖房止めちゃったんだよね…ついでに喚起だとかほざいて窓まで開けちゃってさ…」


ぶつぶつ文句を垂れる白髪。


「客人…?」


予想外の出来事に顔をしかめるサスケ。


「客人…って誰だよ。」

「それは…」

「俺だよ。」


白髪が答えようと口を開いたのと同じタイミングで
部屋の奥の方から姿を表したのは黒髪長髪、下まつげがハンパないサスケの兄ことイタチ。


「ヤッホーサスケ。
元気にしてるかい?」


真顔でそんなことを言うサスケの兄ちゃん。


「お前の顔見たから元気がなくなった…。」

「え!?
その回答は実に傷つく!!」


なんなんだこの人は。


なんかテンションが変…。


「…で、
なんの用だよ。」


サスケはイタチを軽く睨みつけながらそう言った。


「…ああ、その…。
最近な、お前のよろしくない噂が耳に入ったから、真相を確かめようと思って勝手に部屋を散策させてもらった。」

「は!?ふざけんな!!何やってくれてんだよ!!」

「残念ながら、エロ本は見つからなかった。」

「え、サスケエロ本もってねーの!?」

超意外!!

「なんだよ…もってると思ってたのかよ!!
つーかイタチも、エロ本なくて残念ってなんだよ残念って!!
あんたは俺に何を期待してる!?」

「健やかに育ってくれることを兄さんは期待してる。
…それで、エロ本はなかったがその代わりに、こんなのを見つけた。」


イタチは言うと、
何かの紙袋を片手に持って見せてきた。


「え…?何だってばよそれ…」

「あーわーちょーおゎぁ!!!
それだけは!!それだけはやめろ!!」


紙袋の中身が全くわからない俺とは反対に猛烈に焦り出すサスケ。


さては俺に見られちゃまずいものなんだろ…。


「なんで…なんで…!?
めっちゃ奥深くに隠しておいたのに!!
もう誰も捜し当てることなんて出来ないと確信してたのに!!」

「ワハハ!!兄弟というものをナメないほうが良いぞ?サスケ。
…と、言うことなので、これ、開封させて頂きます。」

「ぎゃー!!
まっ!!こいつの前ではやめろ!!ナルトの前では絶対だめ!!」


紙袋の封をベリベリと解きはじめるイタチを見て
サスケはよりいっそう焦りだした。



…俺に見られちゃまずいって



どーゆーことだってばよ。



そんなこと言われちまうと、
マジサスケに対する信用なくす…。



こいつの可愛いハニーのはずの俺に隠し事とは…


リアルありえん。



ため息をついてなんとなく横を見れば
さっきまで毛布をかぶっていた白髪のやろうが興味ありげにこっちまで来ていた。


「あんなに愛してるとか囁かれてるのに隠し事されるなんて、なめられたもんだね君。」


そいつと目があったとき
そんな事を言われた。


「うるせぇ…。」


いちいちムカつくよな…この白髪。


白髪の目はニヤニヤのせいで三日月型になっていた。





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