Akastuki

□クリスマス前
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『クリスマス前』


東京は冬の冷え込みが増している中、

BARサソリ座の女は今夜も開店中。


が、

いつもの5人は揃っていない。


店内にいるのは赤っ毛のチビ店長と、
金っ毛の客の2人だけであった。


蠍「…他の3人は?何でお前だけなんだ?
理解不能…。」

デ「なんでオイラだけだと理解不能なんだよ。失礼だな。」

蠍「後輩に失礼もなにもないだろう。
…で、金っ毛ショートversionと黒っ毛兄弟はどうしたんだよ。
まさかノロウイルス?っかー、かわいそうにクリスマス前なのに。」

デ「なんかバージョンだけ異様に発音よかったんですけど…。
つーかノロじゃないし。」

蠍「この前なんかは、赤ん坊がノロにかかって命落としたってニュースでやってたからな。
…あいつらも死ななきゃいいが。」

デ「とか言って旦那、顔、めっちゃ笑ってるぜ?うん。
まるであいつらの死を望んでいるかのよう…。」

蠍「は?何言ってんだよお前。
この世界一優しいサソリ様だぜ?そんなこと望んでるわけねーだろ。」

デ「自分で言うなよ。
あと、火の葉出身のあの3人は、仕事だって。ノロじゃない。」

蠍「チッ。」

デ「あ!!今舌打ちした!?」

蠍「してねえ。
…ったく、死なねーじゃねーかかかってないんなら。もう交通事故で死ね。」

デ「死ね!?」

蠍「…ってゆーかさ、
お前…イタチも仕事っつった?」

デ「おう。」

蠍「…マジで?え、マジで?え!?」

デ「どうしたんだよ旦那…。」

蠍「アイツ仕事見つかったのか!?
うわー…負けたわ…つーか悔しい…。」

デ「…。」

蠍「まさかあいつに先こされるなんざ思ってなかったわ…。」

デ「サソリの旦那…イタチの旦那よりも自分が上だと思ってたんだ…。
こっちの方がポジション的に下なのに…。あと身長も。」

蠍「まじあいつ…今度俺の視界に入ってきたら殺す。」

デ「殺す!?
旦那アンタ、世界一優しい心の持ち主じゃなかったのかよ!?
ってか、この客足少ない店の唯一の客なのに殺しちゃうの!?」

蠍「あ゛あ゛?
客だろうがなんだろうが、俺よりもイケメンな奴は全員、俺のコレクション対象なんだよ。」

デ「怖えー!!
どこの残酷なわがまま王子だよお前は!!」

蠍「ちなみにお前も対象内だからな?」

デ「ま…マジですか!?
ちょ…オイラちょっくら大塚美容整形外科行って、旦那よりちょっと下くらいの顔に整形してきます!!」

蠍「おい、まてや!!
誰がアンタの顔は俺以上っつった!?
お前だけ特別なんだよ。お前だけ何やっても近い将来俺のコレクションになるって約束されてるんだよ。
ありがたく思え。」

デ「思えねー!!!
その約束取り消しにしてもらえませんかね!?」

蠍「もうリコールできる期間は終了してるから、ムリ。」

デ「どこのインチキ商店だお前は!!」


店内でギャーギャー言い争う2人。


他の3人が来店してくるまで続いたと言う。





‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

いつもより短い。
ゲストがいない。

それでもBARサソリ座の女はBARサソリ座の女。

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