Akastuki

□サソリ座の女。extra
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『お掃除忍伝』



今日は日曜日。


今は昼。


BARサソリ座の女の店内には、
いつもの五人がいた。


そして五人は、
一人はほうき、一人はモップ、一人はぞうきん、一人はチリトリ、一人はクイックルワイパーをそれぞれ持っている。



デ「旦那〜、ここのゴミ、取ってくれ。うん。」


ほうき担当のデイダラがチリトリ担当のサソリに声をかけた。


蠍「行くのめんどくさい。
お前がそれ手で取って持って来いよ。」

デ「は?」

蠍「できんだろ?お前なら。」

デ「ムリ。
なんでそんな汚いことをオイラが。」

蠍「高潔気取ってんじゃねぇ。早く持って来いよ。手でつかんで。」

デ「嫌だよ。
つーかチリトリでゴミすくうのが旦那の役目だろ?
ちゃんと役目果たせよ、うん。」

蠍「うるせー、仕事で疲れてんだよ。」

デ「どこのお父さんだよ。
つーか旦那ろくに仕事してねーくせに何疲れてんだよ。
体力なさすぎだろ。」

蠍「精神が疲れてんだよ。大人の世界なめんなガキ。」

デ「はいはいすんませんでしたー。
それより早くゴミ拾って下さい。」

蠍「だーもーたりー…(言いながらソファに持たれかかる)」

デ「おい、おっさん!!
早くしねーと、これからサソリの旦那じゃなくてサソリのおっさんて呼ぶぞ!?」

蠍「もー、勝手にしろよ呼び方なんて。」


うだうだと、なかなか自分の任務を遂行しようとしないBARのマスター。


そんな彼をチラッと見たぞうきん担当のサスケは、

デイダラがほうきで寄せ集めたほこりたちを手いっぱいにすくう。


デ「え、ちょっ…汚いぞアンタ…」


何やってんだよと続けるデイダラに、ぞうきん担当は「いーから。」と言って立ち上がった。


サ「今から俺、面白いことするから見てろ。ちょんまげ。」

デ「はぁ…。って、誰がちょんまげだよ、うん。」


まだ濡らしていない乾いたぞうきんを脇に挟んで、
両手にゴミを乗せ、ニヤつきながらマスターの近くに寄っていくサスケ。


サ「…サソリおーじちゃん。
起きて?起きてくれなきゃサっちゃん、泣いちゃうー。」

蠍「うるせー。何だよアンタ。」

サ「おじちゃんつめたーい。
あ、サっちゃん、涙が出てきたな…ポロポロポロ〜。」


言いながらサスケは両手のゴミをサソリの頭の上に落としていく。


蠍「…ぶわぁっお!!?
ちょ!!テメェ!!何してくれんだコノヤロー!!
俺のナイス赤毛に!!サイテーだお前!!ホントサイテー!!」

サ「はん。何がナイス赤毛だよ。今の時代は黒髪だから。黒髪こそがモテる時代だから。
赤毛なんて…プッ…もう時代遅れ…ww」

蠍「あ゙あ゙ん゙?こんのクソガキ。
俺のチリトリアッパーで首切られたいのか?」

サ「フン。切れるものなら切って見やがれ。
俺のぞうきんスマッシュには勝てないと思うがな。」

蠍「ぞうきんスマッシュだと?
だっせー名前だな。」

サ「ダサくても強い技ってんのはあんだよ。
ナルトのお色気の術みたいに。」

ナ「アレつえーのか?」

イ「男子にしか効き目ないだろう。」

サ「…まぁ、見てろ?
俺が開発した…ぞうきんスマッシュ(ぞうきんを水道水で濡らす)…準備OK。
行くぞ!?水遁!!ぞうきんスマッシュの術!!(叫びながらびしょびしょなぞうきんを投げる)」

イ「サスケお前…水遁使えたっけ?」


ぞうきんスマッシュの術は空中で勢いを増し、見事、サソリの顔面的中。


蠍「ギャー!!!俺の美しい顔がー!!!」

サ「何をほざく。
俺の方が断然、美しいわ!!」

ナ「なんのセリフだよそれは!!」

イ「てゆーかサスケ!!
兄さん、せっかくモッパーで床をきんぴかぴんに磨いたのによくも水びだしにしてくれたな!?
もー、どーしてくれるんだお前!!」

サ「ちなみにぞうきんスマッシュのことを、別名で、水龍弾という。」

イ「兄さんは別名なんて聞いてない!!」

ナ「え!?アレ水龍弾なの!?
本物とすごーくかけ離れてた気がしたんだけど!?
俺には龍の姿なんてどこにも見えなかったんだけど!?」

サ「黙れクイックルワイパー。
1人だけハイテクな現代の掃除道具もってやがって。
ムカつくんだよ!!なんでお前が!!
くらえ!!サスケチョップと称して千鳥!!」

ナ「電流出てない!!ビリビリしてない!!
つーか名前ダサい!!…ぐぇ(腹に命中)」

デ「イタチの旦那の弟…。
お前将来、パパになったら、絶対ガキの名前つけは妻に任せろよ?
アンタがつけたらおかしくなりそうだ。…子供に優秀とかって名前つけそう。」

サ「は?なんだ。どーしたいきなり。
遠い未来のこと語り出して。ん?好きな奴とかいんのか?」

デ「語ってねーだろ。
ちなみに好きな奴はいない。」

蠍「いねーのかよ色気ねーなー。
最近男のセリフばっかでむさ苦しいんだよ。」

イ「じゃあ、マスターが性交換でもしたらどうですか?」

蠍「女顔のお前に言われたくはない。
つーかなんで俺が。お前がやれよ。それか弟。」

サ「俺はだめだよ。心、男だもん。」

ナ「フツーの理由だ。おもしろくねぇ…。」

サ「あ、ナルト。そうだお前がやれよ。」

ナ「えー…、何だよ俺にふるなよ。つーかなんで俺なんだよ。」

サ「風の噂で聞いたんだが、お前実はゲイらしいじゃん?
だから。」

ナ「おい…。風の噂って…それ誰から聞いた?まじ、その噂の情報源ぶっ潰す…。」

サ「…顔…怖えーよ…。
ジャンプの漫画の主人公がそんな顔していーのかよ。
まるで悪徳商法の上層部の奴の顔だ。」

デ「例えがわかんねー…。」

蠍「てゆーかお前ら掃除しろ!!
雑談してねーで。」

デ「さっきっからだらだらしてるおっさんにそんな事言う権利はねーぞ?」

蠍「だまれよちょんまげ。
お前ら…これ以上雑談続けるようなら、まじでチリトリアッパー食らわせんぞ?」

ナ「食らう前に食らわせる!!それが俺の忍道だ!!
風遁!!“ってゆーかなんで客の俺が掃除しなきゃならないんですか!?”の術!!(クイックルワイパーでサソリの顔面を擦りまくる)」

蠍「ぶっ…ちょ!!やめ!!汚!!」

デ「風遁関係なくね!?
てか名前長いしダサい!!」

イ「じゃあ俺も便乗するか…
天照…と称して“ナルトくんそれはね、年末だからだよ”の術!!(モップの底面をサソリの頭上に上から押し付ける)」

蠍「やめ!!つむじ押すな!!背が縮む!!」

デ「…オ…オイラも!!
土遁、“イタチの旦那、正確な理由を言うと店長が1人で掃除すんのめんどくさいからオイラ達を利用してるんだ、うん。”の術!!」

蠍「オメーのが一番長ッ(ほうきの枝の部分を腹に押し当てられる)ぐほぇ!!苦しいぞ!?」

サ「うわー…3対1。
しかも三人とも棒の奴だから威力倍増…。」

ナ「サスケェェ!!
とどめ頼むってばよ!!」

サ「…ラジャ!!」

蠍「ちょっ…やめろ!!お前のが一番汚そ…ッ」

サ「いくぞ…?
疾風伝始まるときに、
『サスケくん、君、露出のシーンが結構あるから筋肉つけといてね?』
ってプロデューサーに言われて以来、ジムに行って鍛え上げ続けた俺の肉体が繰り出す、スペシャルな技!!
必殺!!サスケキック!!(普通のキック)どりゃあ!!(サソリの脇腹命中)」

蠍「ぐえぇッ…」


そのままサソリ没。


サ「…どうだ。参ったか赤毛。」フフン

ナ「わ…わー…すげー笑」

イ「さ…さすがサスケww」

デ「…うん、うん。」

ナ「で、でも、俺たち的には…」

サ「?」

3人「「「もっとオリジナリティ溢れる技を使って欲しかったな!?」」」


3人、各々の武器(ほうき、モップ、クイックルワイパー)でサスケの腹をど突いた。











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