Akastuki
□サソリ座の女。
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『日本人は酒にすぐ酔う』
蠍「知ってるか?日本人って酒に弱い奴が多いんだって。」
デ「知ってる。それ、世間の常識だから。今更何言ってんだよ、うん。」
蠍「年上にはデスマス語使え。」
イ「デスマス語じゃなくて丁寧語な。
…それよりも、若い2人、特に弟の方、知らないか?
昨日の朝っぱらから行方不明なんだが…。」
デ「イタチの旦那…それ、グレたんだきっと。」
イ「え…。」
蠍「あーあ。お前がいつも甘やかしてるから。
グレた人間の更正は難しいぞ?」
イ「そんな…。サスケが…。」
デ「今頃タバコ吸って、スパーッうめーッとか言ってんじゃないっすか?」
蠍「いや、アイツはタバコって言うより葉巻だな。」
イ「どっちも嫌だ。」
蠍「まーまー。これでも飲んで落ち着けや。」
イ「…何ですかこれは。」
蠍「見りゃあわかんだろ。ぶどう酒だって。うまいぞ〜?」
デ「サソリの旦那のバカ。イタチの旦那、超酒弱いんだからそんなの与えたらまた大変な事になるだろーが、うん。」
蠍「勝手に変になってろし。ゲス。」
イ「ゲッ…」
と、そこにBARの入り口が開く音。
若僧2人が来店。
妙にテンションが上がっている。
サ「やべーwwブドウジュース飲みてー!!」
ナ「トマトを裏切るなよお前ww」
イ「あ、サスケ…とナルトくん。」
サ「あ、(イタチを指差して)アレに似てる…プーさん。」
ナ「どこが笑。ターザンの間違いだろww」
2人「アハハハハww」
蠍「何々どーしたのあの二人は。」
デ「テンションやばす。」
イ「サ…サスケ?」
サ「…お、俺ついてるかも。」
ナ「ん?」
サ「ブドウジュースっぽいものあった。」
ナ「それたぶん酒だって。」
サ「知らねーwwそんな事俺には関係ない!!」
言いながらイタチの前に置かれていたワイングラスを手にとる。
イ「え、いけません!!
サスケ!!それはダメ!!グレるのもほどほどにしなさい!!」
サ「は?別にグレてねーし。」
イ「じゃあ何故昨日の朝っぱらから不在だった!!」
サ「ディズニーランドに泊まりがけで行ってただけだし。」
イ「あ、ずるい。」
サスケ、イタチを一瞥した後、ぶどう酒を誤飲。
蠍「あ、やっちゃった。」
デ「オイラは知らない。赤の他人だから、うん。」
イタチ弟、ぶどう酒を一気に飲み干し、グラスをカウンターの上に静かに置く。
イ「…ど、どうしたサスケ。
まずかったのか?そりゃまずいよお酒なんだから。アルコールなんだから!!」
ナ「…サスケ?
なんかすんげー暗い表情なんだけど。」
デ「ディズニーランドの疲れが出たか?」
蠍「まさかこの後、兄と同じく超変になるとか?」
デ「いや?弟の方はしっかりしてるから大丈夫だと思うぜ?サソリの旦那。」
蠍「そっか。
確かに、兄弟揃って酒弱かったら、親父さんも楽しくないだろうしな。」
デ「そーだよ。酔ってねーって。ブドウジュースじゃなかったからビックリしてんだよ、うん。」
イ「サスケ…?」
サ「……ろう。」
イ「?」
サ「こんの下まつげ野郎!!!ゲス!!!」
イ「ゲッ…」
ナ「なんか叫びだした!?」
デ「超弱かったよ…。」
蠍「なんだよ嘘ついてんじゃねーよ金髪ロン毛!!
あーもー兄弟揃ってめんどくさ!!
変なとこばっか似てんじゃねーよ!!」
サ「まじでさー、もうさー、俺の話ちゃんと聞けよ!!下まつげ!!」
イ「はっはい!!」
蠍「しかも絡み酒か。最悪だな。」
デ「一緒に飲みに行きたくないパターンだな、うん。」
サ「マジでうざいんだよテメェ。
あ゙?もういっぺん殺してやろうか?」
イ「か、勘弁してくださいッ、痛、すね!!すね蹴るなすね!!」
サ「あははww楽しーww」
イ「ドS…!!」
ナ「あ、俺、なんか疲れてるっぽいから帰るわー。
熱もあるっぽいし?もしかしからインフルエンザかもしんねぇ。
じゃ!!」
イ「ちょ!!待ってくれ!!
君だけなんだ!!唯一、ブロークンサスケの対処がうまい奴は!!
君が帰ったら、この世界は終わる!!」
ナ「んな大げさな。
大体、ブロークンサスケっつっても限度があるってばよ。
ばいばい!!(と、ドアを開けようとするが開かない)…アレ?」
蠍「よっ!!木の葉の英雄!!」
デ「ヒューヒュー頑張れ!!」
ナ「なに、この店にはオートロック制度があんのか!?」
蠍「これさえあれば、強盗が入ったときでも犯人を閉じ込めておける。」
サ「フン。こんな貧乏な店に、強盗なんて入るわけないだろ。何ほざいてんだよゲス野郎!!(イタチに平手打ち)」
イ「痛!!俺ですか!!何で俺!?」
サ「おいお前、どーでもいいけどそこに正座しろ。」
イ「どーでもいいのに正座するのか!?」
サ「うるさい。
俺に口答えするな。」
イ「ごめんなさい!!」
サ「下まつげ…どーやって死にたい?
死に方だけは選ばせてやる。」
イ「死ぬこと前提ですか。俺に生きる道はないんですか。」
サ「あるわけないだろ。甘ったれるな!!」
イ「すみません隊長!!」
サ「誰が隊長だよ、鼻フック!!」
イ「ぐぇっ…今兄さん、何か悪いこと言ったのか!?」
蠍「あ、鼻血。」
デ「汚ーよ旦那。」
イ「この境遇の俺をけなすのか!?
なんだ、お前たちまでドSか!?」
サ「いーじゃねーか、お前はドMなんだから。」
イ「ちがーう!!兄さんはどっちかって言うとSだ!!」
サ「知るかよドMww」
イ「目!!目が怖い!!顔は笑ってるのに目が笑ってない!!」
サ「さぁーどうやって死にたい?
10秒内に決めねーと、俺がみじん切りにすんぞ!?」
イ「みじん切り…せめて角切りにしてくれませんか?」
サ「はい0!!シンキングタイム終了ー。
今からうちはサスケの楽しいお料理教室の始まりでーす。
お見逃しなく。」
蠍「チャ…チャンネル変えたい…。」
デ「お、おい旦那!!九尾はもうチャンネル変えて…」
蠍「何!?うわ!!目をそむけて、しかもアイポッド大音量で聞いてる!!こっちにまで音が聞こえて…」
サ「西野カナの君ってか…。
Ifの方聞けよ!!(竹刀を床に叩きつける)」
イ「ど…どこから出てきたのその竹刀は!!」
サ「ドラえもんの四次元ポケット。」
イ「本当ですか!?それは!!」
サ「ああ。ドラえもんがわざわざ、『これで君のお兄さんをぶん殴るといい。』って言って渡してくれたんだ。」
イ「ドラえもんはそんな悪いこと言う人じゃありません!!」
サ「人じゃねぇ。あれはロボットだ。22世紀のな!!(イタチの肩に竹刀を振りおろす。いい音がした。)」
イ「痛!!痛いぞサスケ!!今のは史上最強に痛いぞ!?」
サ「えーまず、メインとなる肉を軟らかくするためにほぐします。」
イ「何さりげに料理教室の説明はじめてるんだ!!
つーかこれはほぐすって言わない、叩くって言う…痛!!」
サ「次に、塩、こしょう、ワイングラスを振りかけ、味付けをします。」
イ「ちょ…しょっぱッ…あ!!目にこしょう入ったぞ!?ガラス痛!?なんか膝に刺さった!!」
蠍「あとでそのワイングラス、弁償しろよー?」
サ「あとは焼くだけ…ってあ。」
イ「…な…何!?」
サ「切るの忘れてた。」
イ「そのまま忘れてて欲しかった…。」
サ「まあ、切るのはお好みで。
ステーキ風でもよし…角切りでもよし…。
俺はみじん切りが好きなのでそれにします。」
イ「やめろー!!兄さんは丸焼きがいい!!」
サ「調理物はフツー喋らない。静かにしてろ。」
イ「いや、でも!!」
サ「でも何だ?まだ俺に逆らう気か?」
イ「ち…違います!!」
サ「じゃあ黙ってろ。」
イ「うう…。」
サ「おいチビ!!包丁でもナイフでも出せ。」
蠍「あ?それ俺に言ってんのか酔っ払い。」
サ「そーだよ。早く。」
蠍「ムリ。」
サ「何で。」
蠍「ムリったらムリ。」
サ「はぁ?意味わかんねー!!」
蠍「意味解らんのはお前の方だろガキ。
限度ってものを知れよ。」
サ「チッ…何なんだよお前。お前ら…もうカスッ、チビッ、ゲスッ、ゲロッ(呟きながらへたり込む)」
デ「汚ッ」
ナ「(イヤホンを外して)…どうした?」
サ「ゲル、ゲルマン、アンポンタン…」
ナ「…泣いてる?」
イ「え゛!?」
蠍「忙しい奴だなお前。」
サ「チャンポンタン…タンタンめん…めっ…もう…疲れた…」
そう言って、鼻を頻繁にすすりながら今だ正座中のイタチの元へはっていくサスケ。
その後、イタチの膝を枕にして没。
イ「…。」
デ「え、何、寝たのか?」
蠍「うっそマジ?早くないか!?」
ナ「ディズニーで一番騒いでたから、サスケの奴。
ガチで疲れてたんだよきっと。」
イ「そ…そうなのか…。」
蠍「ったく、ホントに16かよ。
俺にはそいつが赤坊にしか見えないな。」
デ「同感、うん。」
イ「ま、そこがかわいいのさww」
後日、
イタチ弟はこの一連を何一つ覚えてなかったと言う。
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