Akastuki

□silence is golden
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BARサソリ座の女、今日も平和に開店中だが、

デ「なぁサソリの旦那、」

ひとりの金髪ロン毛の若者が、そのBARの長に疑問を投げかける。


デ「…なんで、客オイラしかいないんだ?うん。」

蠍「静かだからいいんじゃね?別に。」

デ「よくねーよ。寂しいんですけど。」

蠍「俺がいるからいいじゃないか。」

デ「いや、旦那がいてもオイラの心の隙間は全然うまらないぜ。」

蠍「旦那じゃないマスターだ。
…心の隙間埋まらないって、意味わかんねーよお前。
俺たち何年コンビ組んでると思ってんだよ。灯台下暗しっつーだろ?本当に必要なものほど近くにあるけど気づかないってやつ。」

デ「うんあるなぁ、そんなことわざ。
でもオイラ、旦那必要としてないし。」

蠍「いつからSになったお前…。」

デ「フフン、オイラはもともとSだぜ?もうドSって言っても過言じゃないくらいだ、うん。」

蠍「バカヤロウ!!!
俺がいつSになっていいっつったよ!?なんで俺に無断でSになっちゃってんの!!?」

デ「ええ!?Sになるには旦那の許可必要だったんですか!?
そんな法律始めて知ったぜオイラ!!!」

蠍「当たり前だ今作ったんだから!!」

デ「突っ込みづらいコメントするな!!」

蠍「だからお前は突っ込まなくていいって言ってんだろさっきから!!
お前はボケだけかましてりゃいいんだよ!!」

デ「ボケかますって…もうそれ、旦那の担当だからなぁ…。
今更やれって言われてもな…」

蠍「くぐつにするぞ?」

デ「それだけは、マジ勘弁、うん。」


デイダラのこの一言でさっきまでの盛り上がりが一気に冷め、
また静かなBARに戻る。


蠍「…。」

デ「…。」

蠍「…。」

デ「…なんで何も言わないんだよ、旦…マスター。」

蠍「マスターじゃない旦那だ、あ、間違えた、旦那じゃないマスターだ。」

デ「日本語ちゃんと喋れ。」

蠍「いや…別に何かコメント必要なほど重要なセリフでもなかったろ。
だから無言でいたら、静かになったな、みたいな。」

デ「あ、そう。」

蠍「ほらまたコメントしづらい返事するー。
やめろよそれ。会話途切れるから。」

デ「すみません、自分口べた何でぇ…。」

蠍「誰あんた。」

デ「…んー、分かった。オイラがどんどん話題提供すればいいんだな?」

蠍「そう、そういう事だ。」

デ「じゃあさ、さっきから気になってたんだけど、
なんで今回だけ題名サソリ座の女じゃないんだよ、うん。」

蠍「ああ、それ?
それはな、今回が俺たち2人だけだからだと思う。」

デ「え?それとタイトルってなんかかんけーあんの?」

蠍「ある。だって、サソリ座の女って言うのはあの五人が揃って始めてそう言えるものだから、二人じゃもう、カスだろ。
サソリ座の女どころじゃねーだろ。」

デ「いや、意味が分からないんだけど…うん。」

蠍「それはお前がバカだからだ。」

デ「何その発言。ムカツク。」

蠍「だろうな。バカって言われてムカつかない人間はいない。もしいたとするならそいつは相当なMだ。」

デ「はぁ…。」

蠍「俺はMな女って好きだぞ?」

デ「…。」


またも沈黙に包まれる店内。


蠍「…。」

デ「…旦那。」

蠍「マスターだ。」

デ「オイラたちコンビ解散したほうがいいかもな。うん。」

蠍「なんでそうなる。」

デ「…会話が、いちいち途切れるから。」

蠍「お前が反応しないからいけないんだろ。」

デ「いや、反応しないのがいけないって言われても。
そもそも反応しづらい事言う旦那が悪い。
んないきなり好みのタイプの女宣言されてもどうしていいかわからないし。」

蠍「えー?
女の話とか特に男子の会話で盛り上がるネタだと思うんだけど。」

デ「下ネタに走る気か、あんたは。」

蠍「あんたじゃない、」

デ「マスターだ。
はいはいすんません、オイラも言って後から気づきました。」

蠍「クソが、人のセリフを勝手に…」

デ「クソじゃないデイダラだ、うん。
っつーか、そのいっつもマスターが使ってるセリフ、
ぶっちゃけると銀魂の桂…」

蠍「わーわーわーわー!!!!
ダメ!!それ言っちゃダメ!!
企業秘密だから、それ企業秘密だから!!!」

デ「そんなあからさまにひた隠すってことは、やっぱり旦那も使いながらヤバいなって思ってたんだろ!!?」

蠍「お…思ってねーし。」

デ「嘘つくの下手だなぁ、旦那。目がめっちゃ泳いでるぜ?」

蠍「!!?」(ばっと手で顔を覆う。)

デ「いやいや、そんな事しても無駄だから。」

蠍「パァ。」(ザッツ変顔。)

デ「…おもしろくねぇ。うん。」

蠍「チッ。」

デ「何がチッだよ。」

蠍「つーか、デイダラ、
もしや突っ込んでる?俺に。」

デ「…まぁ、旦那がいちいちボケかますんで一応。」

蠍「は?俺がいつボケかましたって言うんだ。」

デ「え、そりゃあ、常に…。
特にさっきの変顔とかアレ、明らかにボケだろ?」

蠍「…。」

デ「な、旦那にツッコミは無理だきっと。
本編でクールキャラな奴はこーいうばでボケに回されることが多いんだよ。
これは運命だと思って諦めろ。うん。」

蠍「クッソガ、いたたまれないぜ自分が。」


店長がそう言い捨てた後、

また2人の間には沈黙が訪れる。



と、そこに例のメンバー三人が来店。


サ「アレ?なんでこんな静かなんだよお前ら。」

デ「あー、あんたら、よくぞいいところに来てくれた、うん。」

ナ「どうした、ケンカか?」

イ「お!!だったら俺の出番だ!!
思う存分相談するがいい!!!」

蠍「いや、ケンカとかそんなんじゃないから。別にイタチとかいいや。」

イ「は!!!?」



BARサソリ座の女は今晩もまた賑やかになっていくのであった。








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