Akastuki

□サソリ座の女。sequel
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『病原体なう。』


サ「…なぁ、今日あいついねぇの?」

イ「あいつって?」

サ「いつも俺の隣に座ってるあの金髪小僧だよ。」

イ「あぁ、そういやいないな。」

蠍「さっき保護者の方から連絡来たんだけど、
九尾の奴インフルエンザだってさ。しかもA香港型。」

デ「なうってる。うん。」

サ「うわ〜、あいつなに勝手に流行の最先端気取ってんだよ。」

イ「俺このまえ新型かかったぞww」

サ「自慢するなよ、病原菌かかったことを。」

デ「しかも旦那、新型とか去年の話だぜ?
時代遅れだそれは。」

イ「くそっ
なうってなかったか…」

サ「なうっても看病しないからな俺は。
このまえの新型みたいに気合いでなおせ。」

蠍「インフルエンザって気合いで治るようなもんなのか…?
インフル患者放置したら死ぬって聞いたけど。」

サ「知ってるし。」

デ「じゃあ、看病してやれよ。」

サ「何言ってんだよ、俺は死ぬことを願ってわざと放置してるんだ。」

イ「サスケひどくない?
それ、実の兄にしていい事じゃないよな?」

サ「…だろうけど、嫌いな奴にはやってもいいことだろ?」

イ「いけません。」

蠍「まーまー、イタチ。
嫌い嫌いも好きのうちっていうじゃねーか。
今彼は反抗期なんだよきっと。
何年か経てばまた兄さん遊んでー!?ってほざくガキに戻るって。」

サ「いやもどっちゃマズいだろ。」

イ「そうか…そうだよな。
よし!!気長に待つとしよう!!」

サ「安心しろ。いくら待っても俺の気持ちは変わらねーから。」

蠍「あ、そうだ。デイダラ。」

デ「うん?」

蠍「俺は今年、インフルの予防接種受けないつもりだから、もし俺がインフルかかったらこの店の切り盛りよろしく。」

デ「予防接種受けようぜサソリの旦那…。」

蠍「旦那じゃないマスターだ。予防接種は受ける金がないんだよ。
大丈夫だ喜べ相棒。副店長任命なんだから。」

デ「その大丈夫の意味がわからねーし、こんな店の副店長任命されたって全然嬉しくねーんだけど。うん。」

蠍「おまえ、こんな店ってなんだよこんな店って。」

サ「あの、一つ質問なんですけど、
この店でバイトとかやったら給料ってもらえたりするんですか?」

蠍「は?する訳ねーじゃん。
お前何言ってんの?バカじゃん?」

デ「…じゃあ、副店長のオイラがマスターの代わりに店の切り盛りやったら、その分の給料は…」

蠍「デイダラ。この店の営業状態知ってるよな?」

デ「え…?毎日黒字で大儲けなんじゃないんですか?うん。」

蠍「あのな、毎日黒字で大儲けだったら、今頃カラオケセット導入してるっつの。」

イ「と言うことは、毎日赤字で大変な事に…」

蠍「なってたらどうする(笑)?」

サ「笑顔黒いぞ?」

イ「なってたら…来るのやめます。」

蠍「コレクションにするぞお前。
ちなみにデイダラは、記念すべき開店初日にインフルエンザにかかってでも来るって約束したよな?
…だから逃げんなよ?」

デ「財政破綻したら逃げられるパターンだよなこれは、うん。」

サ「違うだろ。」


と、そこにA香港型にかかっているはずのナルトが来店。

手には3つのスコッティのティッシュ箱。


ナ「…てめぇら、何俺のこと差し置いて楽しく会話してんだってばよ。」

蠍「ちょっ、おまっ、明らかに熱あるだろ…。明らかにインフル治ってねーだろ…。」

ナ「それがどうかしたのかよ…。」

蠍「ふざけるな俺予防接種受けない予定なのに!!
あんた…その病原体うつしたらマジ殺すからな?」

デ「ハハッ、うつしちゃえ。」

蠍「デイダラ貴様…」

サ「あ、ついでに俺の兄にも頼む。」

イ「は!!?」

サ「よかったな兄さん、流行の最先端気どれるじゃんこれで。」

イ「いや、あの…」

ナ「共にファッションリーダーならぬ病原体リーダーになろうぜ…」

デ「セリフとテンションあってないぞ、うん。」

イ「え、何ソレ、病原体リーダーとかすごく嫌だ!!
もう名前からして嫌だぞ!?」

サ「大丈夫、似合ってるぜ?兄さん!!」

イ「…ホント?」

サ「ああ。」

蠍「イタチ騙されるな。それはお世辞という名の日本人特有の技だ。」

イ「我が弟はそんなウソつくような子じゃありません!!
でたらめ言うなサソリ!!」

蠍「でたらめって思ってんのはあんただけだよ!!」

ナ「あ、マジでくしゃみでる五秒前…」

イ「え。」

サ「略してMK5。」

デ「古ッ!!古いよそれは!!うん!!」

蠍「っつーか古いとかいう問題の前に、逃げなきゃマズいだろ!!」

ナ「三秒前…」

デ「オイラは大丈夫だ、うん。
この前予防接種したし。」

蠍「でもアレはフツーのA型のってあんた言ってなかったか!?
これA香港型だからあんたがやった奴には対応してないぞ!?」

デ「え゙…」

ナ「二秒前…」

イ「ドンマイだデイダラ。」

サ「俺は予防接種やったっけな…?
…やった気がする。」

イ「サスケは、病院の予約がいっぱいで取れなかったから、まだしてないな。」

サ「…まじかよ。」

蠍「おい、金髪小僧!!
くしゃみは口を両手で覆ってからしろよ!?」

ナ「え…?スコッティ持ってるからムリっ……一秒前…」






























BARサソリ座の女。
今日も楽しく開店中。


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