TAKA★

□martification
3ページ/5ページ



放課後───。


掃除当番が終わって、体育館倉庫裏に行くと、もうすでに奈良の姿があった。


ポケットに両手をつっこんで空をボケーッと見上げている。



…意外と度胸あるんだな。
俺に呼び出されてノコノコやって来るなんて。


「でもポケットに手はウザイ。」


そうつぶやきながら奈良の元へ近づいていく。




が、

途中で何か足りてない事に気づいた。





…重吾がいない。






「ゲッ!!マジで!?」


ヤバいぞー…ヤバいぞこれは。


俺は奈良に腹パンするだけの役目!!

奈良を押さえつけ、なおかつ腹パンなんて二役俺一人じゃ無理だッ!!


つーか、重吾の奴どこ行ったんだよッ!!

俺ちゃんと掃除の前に
『俺掃除あるから、先に行ってろ重吾。』って言ったはず!!

なのになんでいないんだよアイツ!!


「はっ…まさか…」


俺を見捨てて帰ったとか…?


え…うそ。


それ、一番傷つくパターン。


何、俺。嫌われてんの?


え、マジで?
それはヤダッ


「何やってんだよ。木なんかと向かい合って。」

俺が重吾の事をねちねち考えていたら、奈良が声をかけてきた。

「うわッ…いや、別に。」

「いや別にじゃないだろ。
明らかに動揺してんじゃんよ。」

「うるさい、黙れ。
オタンコナスにするぞ?」

「…で、ミーティングって何?」

「は?ミーティング?
ふんっ。何生ぬるい事言ってんだお前。」

「生ぬるいって…
あんた昼間、自分からミーティングするから来いっつてただろうが。」

「フツーに考えて分かるだろ。
アレは嘘だ。」

「…やっぱりな。」


…やっぱりなって何だよ。
ボコられるって分かってたんならくんじゃねーよ。

あ、それともわざわざボコられに来たとか?

…ドMだから?

はは、マジで?


「…つーかな、俺が思うに…やっぱりこういうこたぁよくねぇと思うぜ?
先公とかに見つかったらお前の面目丸潰れだぞ?」

後頭部をかきながら奈良がめんどくさそーに言ってきた。


…うるせぇよ。


…うざいんだよお前。


「優等生ヅラしやがって。」


学年首席になるために俺が今までどんだけもがいてきたか知らないくせに。

兄さんをどんだけ家庭教師として利用したのか知らないくせに。


今日帰ってあの順位表を兄さんに見せたら絶対兄さんは気絶するに決まってる。


俺あんなにサスケの勉強見てやったのになぜッ…って。


だから俺は兄さんのためにも首席をとらなきゃいけないのにッ


「なんでお前が首席を横取りしてくんだよッ」

俺は奈良の胸倉をつかみ、そう怒鳴りつけた。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ