The Union 忍

□黒板の文字
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教室に入り、
バッと黒板の方に顔を向ければ、

なんと、
『HAPPY BIRTHDAY』の文字が黒板上方に書いてあった。



しかも綺麗な字で。



「お…お前ら…」



私は泣きそうになった。



でも生徒を前にして教師がマジ泣きしてはいけない。



出てきそうな涙を必死で抑えて、
『HAPPY BIRTHDAY』の文字をまじまじと見れば、


下方に『HAPPY BIRTHDAY』と同じくらいの大きさの字で『伊東美咲』と書かれている。




「…ん?」





これは…えーっと…







「イルカ先生ー!!
何キョトンってしてんだってばよーw」



『伊東美咲』の字になんとリアクションをとっていいのかわからず、ただ佇んでいた私に、

問題児は声をかけてきた。



「今日な、伊東美咲の誕生日らしくって、
でさ、俺少しだけファンだから黒板で誕生日祝わせてもらいましたw」



超笑顔でブイサインをする問題児。



「へ…へー…。」



苦笑いの私。




「だからさ、ナルト、
そこはやっぱ松金ようこ祝うべきだろ。」



途中からサスケも介入してきた。



彼も同じく問題児である。



てか…松金ようこって誰?




「サスケお前よ、ようこって誰だよ。
二次元の人?」


ナルトはバカにするような目つきでサスケに問いかける。


「違う。グラビアアイドル。Hカップなんだよwチワワ飼っててなー、相沢ちゃんとかと仲いいっていう噂で」

「詳しすぎだろ変態。」

「なんだよ、グラビアは男のロマンだろ。
変態言うなウスラトンカチ。」

「グラビアじゃなくて、AKBに詳しくなれ。」

「うるせーよ。つーかAKBも十分詳しいし俺。」




何かどうでもいいような張り合いを始めた二名。



しかも私の誕生日とかもう関係ない話題。




「あ、まーうん。
何でもいいから授業…始めようか。
ナルト、伊東さんへのメッセージ消して…」




問題児二名に口を閉じるよう促してから、
私はテンションを下げたまま授業を始めた。











後日、カカシさんに26日のことを愚痴ってみたら、

「ああ、黒板に書いてもらうにはね、誕生日の1ヶ月くらい前から
『自分の誕生日はこの日です』ってしっかり宣伝しとかなきゃだめだよ。」

というアドバイスを頂けた。









‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

修学旅行中だったとはいえ、
またしてもアップが遅れてしまってごめんなさい!!

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