The Union 忍

□黒板の文字
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去年の9月15日。



高校1年1組担任のはたけカカシ先生は
授業中、生徒たちに誕生日を祝ってもらったそうだ。



彼曰わく、黒板にでっかく
『カカシ先生 HAPPY BIRTHDAY!!』と殴り書きしてあったらしい。



その話を聞いてから約8ヶ月後の今日。



5月26日。



私の誕生日。



今日は一時限目の授業で例の高1-1を受け持つことになっている。



果たして1-1の生徒たちは黒板にでっかく
『イルカ先生 HAPPY BIRTHDAY!!』と殴り書きしてくれているのだろうか。



私は密かに、そしてものすごく期待していた。






「まぁ、一応私は彼らの担任ではないし、授業をするだけの存在だし、
あんまり一人で盛り上がらない方がいいよな…。」



教材を手に廊下を歩きながらそんな事を呟く。



一人で盛り上がってて、でも黒板には変な落書きだけしか書かれてませんでしたとかだったら、心へのダメージは計り知れないだろうし。



でも、やっぱりすごく期待してしまう。



だって、あの1-1には噂の問題児、うずまきナルトがいるのだから。



彼とは結構、親密な仲だと自負している。



問題児すぎて誰からも存在を認めてもらえなかった彼を
一番初めに認めてやったのはこの私だし。



彼はそんな恩人である私の誕生日を祝わないような、失敬な奴でもないだろう。




「うん、大丈夫…。
なんかそんな考え巡らしてたら祝生誕日の文字が書かれている気がしてきたぞw」




勝手に胸をときめかせながら
私は高1-1の教室のドアを開けた。







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