The Union 忍
□三十路
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カ「はぁ…俺も年取ったなぁ…。」
ヤ「何言ってるんですか先輩。
男は30からって言うじゃないですか。
これからですよ先輩は。」
カ「そうね。
俺もこの年になるまではそう思ってたのよ。
でも、実際なってみてアレ?みたいな。なんか体だるい。みたいな。」
ヤ「疲れてるんですよきっと。あ、ラーメンおごりましょうか?」
カ「ラーメンよりもサンマの塩焼きの方が嬉しいな。
ていうかね、この前サクラとか女子高校生群団に『カカシ先生なんか臭う〜』とか言われちゃってさ。もうショックのなんの。」
ヤ「ひどいですねそれは。
あとで叱っときます。」
カ「でもそれよりもショックだったのがさ、
階段、あるでしょ?
一歩踏み出すごとによいしょって心の中で呟いてる自分を発見しちゃった事何だよね…。」
ヤ「あはは。
先輩は立派な忍なんですから階段くらい軽やかに登らなきゃダメでしょ。」
カ「笑いごとじゃないよ。」
ヤ「でも、ジャンプするときはすごくなめらかに飛んでキレイに着地してますよ、先輩。」
カ「あ、そう?ありがとう。
…でもね、キレイに見えるのは外だけで、中はもう、飛ぶたんびに『よいしょッ』って…。」
ヤ「…。」
カ「ま、20代を楽しみなよ?
…俺、ちょっとイチャパラ読んでくるわ。」
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