The Union 忍

□春先の悪魔
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そろそろ立春、春の訪れ。

この前なんかは東京で3月下旬並みの暖かさを記録したとか。


早くあったかくなんねーかなぁ…。


でも、本気で春の訪れを喜べないでいる俺がいた。



「サスケ…どうしよう俺…」

春が怖くて思わずメイク室でサスケにすがりついてしまった。

「スギ花粉…マジやばいんだけど…」


そう…

俺が春を心から歓迎できないその理由。


『花粉症』


俺はそれに、幼稚園のときから毎年悩まされている。


「…今年は去年の8.5倍とか聞くからな。
ま、頑張れ。」


花粉症じゃないサスケは軽く俺を流しやがった。


腹立つッ

少しは同情しろし!!


「そうなんだってばよ。8.5倍。
だから今年は花粉症じゃない奴もなる可能性あるんだってw」


サスケなんか、花粉症になって、
鼻水タラタラさせればいいんだ!!


「そっか。
でも俺は、花粉なんかに負ける弱い男じゃない。お前と違ってな。」

「花粉には、誰も勝てねーんだよ!!」


くっそーなんだよ今の発言!!

絶対今ので全国の花粉症患者を敵にまわしたよな!!


「そういや花粉は、早いところで2月の中旬あたりから飛び始めるとかいう話だぞ?」

「なんだサスケ…随分と詳しいんだなスギ花粉に…。」

「まぁ、おすぎさんは偉大な人だし…。」

「いや、おすぎさんとスギ花粉を一緒にするなよ!!失礼だろ!?」

「ウフフw」

「ウフフじゃねぇ!!何だよその笑い方!!」


俺とサスケが花粉がどうのとくだらない会話をしていると、

スタッフがメイク室に顔を出して、

「サスケさん、そろそろ写輪眼の装着お願いします。」

とだけ言って去っていった。


「はーい。」


軽い返事をしたサスケは、
カラコンに手を伸ばしそれを取るのかと思いきや、
隣にあった目薬を手に取り、それの蓋をあけ、自身の目に点眼した。


よくその目薬を見てみれば、容器に"リザベン"と書いてある。


「…俺も使ってる目薬。」


この時期毎年お世話になってますな目薬。


いわば花粉症対策用点眼薬。


「アレ…?」


そんなものを何でサスケが持ってるんだ…?


コイツは確か、花粉症じゃないはず…。


まさか…


「去年から、俺の友達。」


俺の疑いの視線に気づいたのか、サスケは短く答えた。


「マジで?」


なんだよさっきまで花粉に負けるような弱い男じゃないとか言ってたくせに!!


でもなんか親近感!!


「だから、今度サイゼで語り合おう。
花粉症の…悪口。」


サスケはニヤニヤしながらこっちに顔を向けた。


「花粉症には欠点しかねーけどな。」


スギ花粉なんか、この世から消えてしまえばいいんだ。


俺はそう心の中で毒づいて、
今年初めのくしゃみをした。







‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

私は花粉症とは幼稚園からの付き合いです。
でも私の周りには花粉症の人が全くいません。
孤独です。

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