The Union 忍

□サスケの憂鬱
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最近俺は、
周りの奴らにバカにされているようで、

どうしようもなくムカムカしている。




この前も、
こんなことがあった。




図書館での話だが、
俺のとりたい参考書が棚の上の方にあって、

168pというなんとも微妙な身長の俺は
それが取れずにずっとひょこひょこしていた。


そしたら後ろから手が伸びてきて、その手は俺の求めていたものをすんなりと取っていったんだ。


ふざけるな、どんな長身野郎だバカやろうと思って後ろを振り向けば、

片方の口角を上げた水月がそこに立っていた。


そいつは
「シークレットブーツでも履けば?」と言いながらとった参考書を荒々しく俺に渡してきた。



自分は170p強だからって、調子に乗らないでもらいたい。



あの時のムカつき度といったらハンパない。


地団太を踏んで怒りを露わにしたいところだったが、
図書館にいたため出来なかった。




そういえば、
こんなこともあった。





俺が近所にある道を散歩がてら歩いていたら、

すぐそばにあった茂みから突然人が出てきて


「お前の人生はそれでいいのかバカヤロー!!!」


とだけ叫んでどこかに去っていってしまった。


その茂みに潜んでいた奴とは、

ずいぶん前に殉職して、未だに仕事が見つかっていない俺の兄だった。



こんな人が多い道で何やってんだアイツ!!



その時の恥ずかしさといったらもう表現のしようがない。


ってゆーか、イタチの方こそ「人生それでいいのかバカヤロー!!」だよ。





あと、
こんなこともあった。





テレビ東京でナルトとすれ違った時に、あいつに「久しぶり!!」と声をかけられた。


俺もそれに反応して、軽く片手を上げた。


あいつも俺同様、なんかヒマそうだったし、フツーに世間話でもするのかなと思っていたらあのヤロウ…


「サスケ、お金とか大丈夫?
最近テレビでてねーから、収入とか大幅プライスダウンしてるんじゃねーかって、みんなで心配しまくってるんだ。」


なんて、失礼この上ないことを平然といってきやがった。



テレビでてねーのは俺のせいじゃねぇバカヤロウ!!


なかなか本編に戻さないプロデューサーに言えアホ!!



「じゃあ、お前はどーなんだよ。」


俺も聞き返してみた。
あいつは

「今年な、天秤座金運いいみたい。」と満面の笑みで答えた。


それはおそらく、収入アップした、と言うことだろう。


俺は悔しくなってつい、

「心配するな。俺にも仕事はある。
実は、モデル始めたんだ…。」

と大嘘をついてしまった。


「えーマジで!?」


信じきっているバカ。


「じゃあさ、じゃあさ、
モデルらしいポーズしてみろよw」


目を輝かせてそんな事を要求してきた。


「おやすいご用…」


できないと言っては疑われてしまうので、一応承諾。


自信は毛ほどもなかったが、
勇気を振り絞って片手を後頭部に、もう片手は腰にもっていき、
その腰を少し斜めに傾けて見せた。


「セクシーな時のポーズ。」


目の前のバカはたぶん理解できてないと思ったから、
ポーズの解説もつけてやる。



俺ってなんて親切…。




一方ナルトは、
何故か白い目で俺を見た後、

「サスケそれ、


たぶんレディースの方…。」

と一言呟いた。







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