The Union 忍
□ファミリー
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お家ですきやきとなると、必ず父子の肉争奪戦が幕を開ける。
肉争奪戦は母ちゃんが鍋を食卓の上に置いた瞬間、始まりのベルか鳴る。
母｢はーい、お母さん特性、すき焼きの登場でーす
｣
子｢いよ!!
待ってました!!｣
父｢食うぞ食うぞー!?｣
うずまき家、
父ミナト、子ナルト。
２人は同時に箸を持ち、鍋にそれを突っ込む構えを取る。
母｢ほーら２人とも、まずはみんなでいただきますでしょ？｣
母クシナは少々呆れ顔で父子に注意した。
父｢だってナルト…。
ほら箸おいて…手は膝の上…。｣
子｢なっ…そーゆー父ちゃんだって…
なんでいただきますの時に箸握りしめてんだってばよ…。｣
父｢これはアレだ。
父ちゃんの特権。｣
子｢は!?意味わかんねー!!
だったら俺も、若さの特権!!(言って箸を握りしめる)｣
父｢こら!!お前は親の言うことが聞けないのか!?
箸を置きなさいって言ってるだろう!!｣
子｢なんだよ。そーゆっといて自分が真っ先に肉取ろうっていう寸法なんだろ…。
見え見えなんだよこのもみ上げ!!｣
父｢これは父ちゃんの世代のオシャレだ!!バカにするな!!
大体お前に、父ちゃんの何がわかる!!｣
子｢じゃあ何で俺だけに箸おけっつーんだよ。
ぶっちゃけ、母ちゃんだってなんだか怪しいポーズしてんだろ？
それはどーなんだってばよ。｣
父、横を見れば
箸を持ち、鍋突撃の準備OKな母が目に入る。
母｢さぁあなた、早くいただきますしましょ？｣
母、爽やかすぎる笑み。
父｢…母ちゃんの方は…少食だから…敵じゃないっていうか…。｣
子｢敵!?父ちゃん今敵っつった!?
なんだよ肉取り合戦参加する気満々じゃねーか!!この貪欲!!｣
父｢そーゆーお前だって、肉取り合戦参加するつもりなんだろ!?｣
子｢当たり前じゃん!!だって若いもん!!｣
父｢若い若い連呼するな!!
父ちゃんが年取ってる風に聞こえるからやめろ!!｣
子｢若い若い若い若い…｣
父｢うわー!!!｣
母｢…肉取り合戦って…椅子取り合戦にイントネーション似てるわね…。
ほら、いくらはいくら？みたいな、そんな感じで…。｣
子｢え!?母ちゃん寒!?｣
父｢冬なのにやめてくれよ…。｣
父子、母のなんともコメントのしようがないセリフに唖然とする。
その隙に、
母｢いただきまーす!!｣
母、鍋に勢い良く箸を突っ込む。
父子｢｢うわ!?母ちゃん最悪!!｣｣
２人も慌てて鍋に箸を突っ込んだ。
ちなみに、この不景気の中、
うずまき家のすき焼きの肉は高い牛肉ではなく、比較的安い豚肉だったという。
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