Akastuki

□教育実習生
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兄が教育実習生として我がクラスにやってきた。






イ「今日から、約二週間、君たちに日本史を教えることになった、うちはイタチだ。よろしく。」



そう言った後、黒板に自分の名前を書いていく兄。



その見慣れた字を睨みつけながら
ふてくされた態度で席に座っている俺。




…まったく、


何故よりによって俺のクラスの担当になるんだよアイツは。




偶然か?




それとも誰かが工作したのか?




…まぁ、とりあえず、

校内では兄弟と言うことはなるべく伏せて、
赤の他人のように俺と接してくれればそれ以上文句は言わないつもりだ。




俺は頬杖をつきながら、
自らの身の上話を始めている兄を、微妙な心持ちで眺める。



すると、隣の席のナルトが「あのさ…」とこっちに顔を近づけてきた。



サ「…何?」

ナ「あの人ってさ、どー見てもサスケの兄ちゃんだよなぁ…?」

サ「…。」




またテメェは余計なことを…。



人が触れてほしくねぇことをいちいち詮索してくんじゃねーよ。




サ「違う。」



騒がれるとウザイから短く否定してやった。



ナ「ふーん…。」



俺の回答を聞き、いかにもつまらなそうな表情で顔を引っ込めるウスラトンカチ。




…よし、


これでひとまずナルトはおとなしくなったかな?



一番うるさいからな、コイツ。



コイツさえ黙らしときゃ、

あとは大丈…




イ「おいそこ。」



俺がほっと一息つこうとしたら、
黒板の前の教育実習生に呼び止められた。



サ「…ん?」

イ「ん?じゃないだろう。
今お前、何と言った?」

サ「え…何言ったって…」

イ「違う、と言ったろう。
ナルトくんに『アレ兄ちゃん?』って聞かれて『違う』と全力で否定したろう…!!」

サ「ぜ、全力まではいかないが…」

イ「いかなくても否定はしたろう!!
何だサスケ、俺が嫌なのか!?お兄ちゃんのことが実は嫌いだったのか!?サスケェェェ!!!」



唐突に発狂しだす実の兄…。



もしやナルトよりもめんどくさい奴だったり…!?




イ「俺はサスケのために、はるばるここまでやって来たというのに、
なんなんだ!!俺を退けるような発言しやがって!!
マジで兄さん傷ついたぞ!?マジでッ…うわぁぁぁぁッ(号泣)」

サ「!?そこで泣くのか!?弱!!」

イ「弱っ…弱って…アァァァッ」



号泣を通り越して、ただの遠吠えになりつつある兄の叫び。





すごく、うるさい。



耳がキーンってする…。




それに何だよもーッ



アイツが泣くからクラスの奴らの視線が俺に集中しまくってるじゃねーかッ



こっぱずかしい…!!




サ「わ…悪かったって兄さん!!
謝るから、俺謝るから!!」


だからもう吠えるな!!


イ「(けろっと泣き止んで)じゃあ、早く。」

サ「…すみませんでした。」





何アイツ。



何あのすがすがしいまでの泣き止み方。




え、何かウザ…。





イ「はーいじゃあ授業を始めまーす。
教科書出してー」



何事もなかったかのようにチョークを手に取り
黒板に日本史の用語を書き出していくイタチ。



サ「何かモヤモヤする…。」



俺は気が晴れぬまま
しぶしぶ奴に従って教科書を開き、黒板の字を写そうとペンを握った。



そしたらまた隣からナルトの首が伸びてくる。



ナ「…教科書見して?w」

サ「…別に。」



特に断る理由もないので
奴と机をくっつけて、教科書を共用させてやった。




あー、でもやっぱ、
教科書共用って好きじゃねーなァ俺。



この教科書を自由にパラパラめくれない感じ?



超嫌だ。




イ「よし、じゃあまずはここまで写すんだ。
その後説明を加えるからな。」



黒板への書き込みが終わった兄が、チョークを置いて俺たちの方へと視線を戻した。



俺もいそいそと板書を終え、
ちらっと兄の方を見てみる。



サ「…。」




何故か目があった。




いや、何故かじゃないな。



アイツが俺のこと見てたから目があったんだ。





…何故見てた?





イ「(咳払い)…そこ、えーっと?(わざとらしく座席表を見る)ナルトくん。」



イタチは俺と目を合わせてからしばらくして、
わざとらしく咳払いをし、ナルトの名を呼んだ。



ナ「!!」



ビクッと肩を怒らせてから、
そっと兄の顔を伺うナルト。



イ「君…教科書…」

ナ「え、あ、はい!!すんません!!
家に置いて来ちゃいましたッ」

イ「いや、そこはどーでもいいんだ。」

ナ「…え?」

イ「そう、教科書忘れはどーでもいい。
俺が君に注意したいのは…何故、何故俺のサスケに、教科書を見せてもらっているのかということだ!!
教科書なら他の奴をあたれ!!サスケに手を出すなッ
机なんかくっつけて、けしからん!!」

ナ「えー!?」

サ「いや、注意するとこズレてるだろ!!」

イ「うるさい、お前は黙ってろ!!
ほら、ナルトくん、机離してッ弟から1m以上離れてッ」

ナ「え、ああ、はい!!」

サ「おいちょっと待てナルト!!
あんな奴の戯れ言なんて聞かなくていいからな!?
教科書は俺が見してやるから…」

ナ「で、でもよ…」

イ「うおぃサスケェェ!!
あんな奴って何だ!?戯れ言って何だ!?」

ナ「ほら…言うこと聞かなきゃヤバいってばよ…。」

サ「大丈夫!!アイツ意外と弱いし!!」

イ「俺は弱くなぁい!!」

サ「(兄に)シャーラップッ」

イ「ノーシャラップ!!
サスケ!!お前もしや俺のことをバカにしているだろう…!!
お前が大好きなはずのこの俺のことを…!!」

サ「大好きじゃねェェッ」

イ「じゃあただの好きか!!」

サ「好きでもねェェッ」

イ「何だと!?
そんなこと言うと兄さん泣くぞ!?マジで泣くぞ!?本気だからな!?」

サ「好きにしろし!!」

イ「うわ…見捨てられた…
さ…サスケに…見捨てられたッうわぁぁぁ(号泣)」

サ「あーもーめんどくさい!!」

イ「めんどくさい言うなァァァ(叫)」



ったく、何なんだよッ


コイツの精神の異常な弱さは!!



教科書で顔を隠して叫び続ける兄。


クラスの連中も半ば呆れている。


そんな時、後方から「いい加減にしろ」というセリフが聞こえてきた。


誰だと思い振り向けば、
元々俺らに日本史を教えていたうちはマダラが

パイプ椅子に偉そうに座って仮面の下からイタチを睨みつけていた。



イ(ピタリと叫びをやめる)

マ「とっとと授業をやれ。シバくぞ?」

イ「…すみません。」








以降、教育実習が終了するまで、

兄は私情を挟んでこなかった。








‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

私が中1のとき高3の先輩だった人が、教育実習生として化学を教えて下さってました。
年の離れ具合がうちは兄弟と同じだったので、勢いで書いてみたのですが、あしからず…。

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