Akastuki

□秘密の殉職会
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7月に入り、再び殉職会が開かれた。



イ「少し早く来すぎたか…。」


集合場所でもある自来也一押しの居酒屋で、ゆったりと座って頬杖をつきながら呟くイタチ。


イ「誰か早く来ないかな…。
寂しさで凍え死にそうだ。」


イタチは時計を見つつ殉職組メンバーの到来を心待ちにする。


すると、昼間でまだガラガラの店内に
扉が開かれる音が響きわたった。


蠍「なんだまだイタチしかいねーのか。
2人きりじゃんw2人きり…w」


扉を開けたのは赤砂のサソリ(35)。


彼は「2人きり」と嬉しそうに言うと、イタチの元へ歩み寄る。


イ「俺と2人きりが何でそんなに面白いんだ、サソリ。」

蠍「面白くはない。嬉しいだけだ。」

イ「さらに理解不能なんだが…。」

蠍「まーまー細かいことは気にするな。
…そういや今回は、あのダンゾウが殉職してから初めての会だな。」

イ「そうだな。」

蠍「来るのかな、アイツ。ぶっちゃけどっちでもいーけど。」

イ「確かに…。」

蠍「うん、まぁ、俺的には、お前さえいてくれりゃあ、もうそれで充分だw」

イ「…うん?」

蠍「…何だその顔は。」

イ「いやなんか…発言が…いつにもまして気持ち悪いんだが…。」

蠍「キモッ…
あのなァ!!俺はお前に愛のセリフをぶつけてやってんだぞ!?」

イ「ああ愛のセリフ…?」

蠍「そうだ!!愛のセリフ。いわば愛情…。」

イ「…どうした。もう年だから子供が欲しくなったのか…?」

蠍「いうほど年でもねーし!!
子供なんていらねーし!!」

イ「だったらその母性本能を俺にささげるのだけはやめろ。」

蠍「母性本能じゃねェ!!恋愛感情だ…。(どやっ)」

イ(亜然)


サソリのまさかの問題発言に、
言葉が出てこなくなったイタチ。


イ「え、れ…恋愛…。」

蠍「おう、恋愛。」

イ「…。」

蠍「…?」

イ「…えーと、」

蠍「何だ。」

イ「お…俺が愛せるのは、サスケだけだからァ!!」

蠍「バカヤロウ!!
ホモという禁断に、兄弟愛という禁断を上乗せするな!!
後で後悔するぞ!?」

イ「知らん!!何の後悔だ!!」

蠍「俺も分からんが、何らかの後悔は絶対するはず!!」

イ「お前こそ俺に恋愛感情を向けていると後々大変なことになるからな!?
大体、14歳差とは何事だ!!」

蠍「今流行っているだろう!!年の差結婚!!」

イ「け、結婚!?
確かに年の差ははやっているっぽいが結婚とまでは行かないぞ!?
まず、同性愛禁という法律の壁もあるし!!」

蠍「それを破ってこそ、俺達イケメンズだ。」

イ「貴様と一緒にするな!!」

蠍「いずれ一緒になる!!
…なんなら今からでも。(イタチの手をつかみ)…Let's Go…?」

イ「To Hotel…。やめろー!!!」

蠍「激しく嫌がるなよ!!」

イ「嫌だ俺は!!絶対嫌だ!!ギャー!!」

蠍「うるさい!!おちつけぃ!!(イタチのヘヤゴムを勢いよく取る)」

イ「うわ、いった!!何をするサソリ!!今ので数本髪の毛抜けたぞ!?」

蠍「数本ならいいじゃねーか。別にお前、ハゲてるわけじゃないんだしよ。(イタチの髪で2本の三つ編みを編み出す)」

イ「いずれハゲる!!サスケと共に!!」

蠍「(できたおさげを引っ張って)そいつの名を口にするなー!!」

イ「痛ァァい!!髪ィィィ!!」

蠍「弟の名を口にしたアンタが悪いんだコラァァ!!」

イ「ちょ、あのっ
俺のおさげで俺の目をつっつくな!!髪が目に入ってかなり痛い!?」

蠍「ワハハw知るもんかw」

イ「笑い方変!!」


と、そこに再び居酒屋の扉が開く音。


サ「兄さん、家にケータイ忘れて…」


そう言って入ってきたのは、別に殉職組でもないイタチの弟、サスケ。


彼は実兄とサソリの様子を目の当たりにすると、一瞬動きをストップさせる。


サ「…。」

蠍「…。」

イ「あ、サ…サスケ…。」


しかし弟、そのまま無表情で退場するのかと思いきや、
「ブフフフ…」と笑いながら退場。


イ「え!?な、サスケ!?」

蠍「何だアイツ、爆笑しながら帰ってったぞ!?」

イ「たぶんこのおさげが原因だ!!」

蠍「何だと!?俺の力作!!」








その後ぞくぞくと来た殉職組メンバー全員が、

イタチのおさげに爆笑したという。








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