Akastuki

□サソリ座の女。cherry
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『復興活動』




サ「今日、俺は、革命を起こしてやる。」




6月中旬、

ある雨の日のこと。



東京は梅雨真っ只中と言うことで、
連日雨が降り続いている。



そんな中、BARサソリ座の女店内で、胸を張る1人の青年がいた。




ナ「何を革命するの?
国会?政府?日本の法律とか?」

サ「そこまでダイナミックじゃない。
そうじゃなくてアレだ。女たちの好意を…取り戻す。」

デ「それは革命っていうのか…?うん。」

サ「言う。
立派な革命だ。」

蠍「…がんばれ(しらけた顔)」

サ「お前その顔絶対応援する気ねーだろ。」

蠍「ああ、ないな。」

サ「いや堂々と言うなよ。」

蠍「つーか、そんなイタチ弟のくだらない意気込みよりも、
もっと大事なもんが2つあるんだよ。」

イ「大事なこと…?」

蠍「そう。
まずな、雨の日になると、なんか関節が痛くってなァ…俺…。
もうホント、階段上るのも辛いくらい。」

デ「ジジイか旦那は。」

サ「てか、それ全然大事なことじゃなくね?
フツーに関節痛公表してないで病院行けよ。」

蠍「病院はな…高いんだよッお値段がハンパないんだよッだから行けないんだッ」

ナ「保険に入ってんならそーでもないと思うけど…。」

蠍「バカじゃねーの?俺保険入ってないし。(自慢げ)」

ナ「自慢するな。」

イ「早く入りましょう。」

デ「で…2つ目は?大事なこと。」

蠍「え?ああ、今日、俺の彼女の誕生日。」

ナ「は!?彼女!?」



店長、まさかの問題発言。

それに唖然とする客4人。


と、そこにタイミングよく店のドアが開かれた。



香「ちーっす。」



なんとなく冷めたテンションで店のドアをチリンチリンと鳴らしながら店内に入ってきたのは

鷹班紅一点、香燐である。



サ「…彼女?」

蠍「そ、俺の彼女。かわいいだろ。」

サ「えッ…ええええ!!?」

香「なんか、カウンター内のオッサンに来いって言われて来たんだけど…
ウチに用事でもあんのか?」

蠍「ん?いやー、特に用事はないっつーか、
ただ、お前の顔が見たくなっちゃっただけというか…」

香「キショイ台詞ぼやきながらお前とか気安く呼んでんじゃねーよ。」

蠍「…すまん。」

ナ「…ホントに彼女なの?
言葉の交わし方が明らかにラブラブとかけ離れてんだけど。」

蠍「何言ってんだよガキ。
これが大人のカップルの典型的なやりとりなんだ。」

香「は?何。カップル?」

蠍「ごめんなさい、彼女とかウソです。」

デ「やっぱりな。」

サ(安堵)

香「…で、用事は?ないの?なかったらウチ帰るけど。」

サ「なっ」

蠍「あ、あるある!!あるよ!!すごい勢いであるよ!!」

ナ「日本語変…。」

蠍「え、えーっとさ、今日は香燐ちゃんの…」

サ「わーわーわーわー!!!
それは俺が言う!!」

蠍「何故!?
何故割り込みしてくる!?」

サ「俺は、アイツの好意を取り戻してぇんだよォ!!
そのためなら何でもするつもりなんだ!!」

蠍「うるせー!!オジサンだって若い子のハートゲッチュしてーんだよ!!」

サ「気持ち悪ッ」

蠍「心の底から言うなッ」

香「あのー…マジで帰っていい?」

蠍「待って!!!」

香「何…。」

蠍「えっと、香燐ちゃん、お誕じょ」

サ「(店長の顔面を肘でアタック、そのまま香燐の前に跪き)誕生日おめでとう…マイハニー。」

ナ「(サスケの行動を見)臭気がッ…」

デ「…。」

イ「弟よ…。」

香「…(冷めた顔で)帰ります。」



言って、目の前に跪くサスケを一瞥すると、
無表情で店内をあとにするメガネっ子。



嫌な格好で残されたサスケ。

彼の目にはとめどなく流れる涙があった。



サ「…何でッ!?」

ナ「臭いセリフがいけなかったんじゃない?」

サ「臭っ…何で何で何で!?
俺はすごいサービスをほどこしたつもりだったんだけど!?」

デ「アレですごいの領域なんだ…うん。」

サ「や、やっぱりアレだけじゃ足りなかったか!?
やっぱり上半身露出も加えたほうが良かったのか!?」

イ「それはいけません!!」

サ「何でーー!!!」







失われた信頼性(女子の好意とも言う)を取り戻すのは大変です。








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短いですが、許して下さい。←

香燐ハッピーバースデイ!!

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