Akastuki

□ホームパーティー
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6月9日、

うちは家宅──。




母「(雑巾でゆったりと床を拭きながら)イタチ、お誕生日プレゼント、何がいい?」

兄「母さん…そのことを考えてくれるのはとっても嬉しいのだが…
まず先に、部屋の片付けをさっさとやって頂きたい!!!」




年末でもないのに
朝から大掃除のうちは一家です。




母「えー…?
いいじゃないのちょっとくらい聞いたって。
あなたもプレゼント欲しいでしょ?」

兄「ほっ…欲しいですけど…ッ」

母「ほらー。」

兄「でも、これといって欲しいものはない…かな?」

母「…遠慮してる?
21年間あなたを育ててきたこの私に、遠慮してる…?」

兄「してません!!
というかその21年間育ててきた発言されるとさらに遠慮したくなりますよ!!
それよりも、掃除、お願いしますマジで!!」

父「(テレビのリモコンをいじりながら)つーかイタチよ。
何故今日の朝に唐突に『部屋の片付け手伝って下さい!!』とか叫び出すんだ。
びっくりするだろー?」

母「そうよ。こういう大事なことは、前もって言っといてくれなきゃ。」

兄「すっすみません…
そこらへんは謝ります…。
…でもっ、今朝、暁のリーダーから『本日昼、イタチ宅でイタチ誕生日会を開催する。』とかふざけたメールが届けられたんです!!
それを考えると仕方ないですよね!?
ぶっちゃけ、俺一人のせいではないですよね!?って、
父さんは何を見てるんですか!!」

父「え?この前の金曜ロードショー…パイレーツオブカリビアン。」

兄「今更ですか!?後にして下さいよ!!」

父「いいじゃないか。
父さん大黒柱だし。」

兄「何ソレ、亭主関白宣言!?」

母「何言ってるのパパ。
今の我が家の大黒柱は、唯一殉職していないサスケよ。
そこ間違えないで。」

父「…そうか。すまん。
で、その肝心のサスケはどこだ?いないじゃないか。」

兄「ああッ本当だ!!
アイツめ、もしやまだ寝ているのか…!?
(二階にあるサスケ自室に向かって)弟よッ目覚めたまえ!!
それで掃除を手伝ってくれ!!」

弟「(自室から)うるせーよ、失せろ。」

兄「うわぁッ寝起きだッ
完全に不機嫌モード入っちゃったよッどうしようッ」

母「イタチ、ここは母さんに任せて?」

兄「え?」

母「(サスケに)朝ごはん、おかかのおにぎりなんだけどいいのー?
早く起きて来ないと全部食べちゃうわよー?」

兄「ちょっ…起こし方が原始的すぎません!?
いくらなんでもそんな罠、あのサスケが引っかかる訳が…」

弟「(早足に二階から降りてきて)お前ら、残しとけっつったろ。」

兄「…さすが母さん。」

母「ウフフwおはよう、サスケw」

弟「ああ、おは…(食卓のトーストを見)あれ?朝飯おかかじゃ…」

母(聖母マリアのような微笑)

弟「……げッ、騙されたッ
うわっ最悪ッ返せよ俺の睡眠!!(二階へ上がろうとする)」

兄「(弟の腰回りをガッとつかんで)コラッ待ちなさい!!
お前も部屋の掃除を手伝うんだッ
逃げるんじゃないッ」

弟「嫌だァァッ
掃除とかめんどいィィッ
てゆーかなんで今日やってるんだよッ年末でよくねッ!?」

兄「今日、朝から掃除やってるのにはなッ深ーいワケがあって!!」

弟「俺には関係ないッ」

兄「そうだなッ確かに関係ない!!
しかし、手伝えッ」

弟「意味不明!!
放せよバーカッきわどいとこつかんでんじゃねェ!!」

兄「俺はバカじゃない!!
それにこの前、3DDS買ってやったろう!!
俺の久々に入ったなけなしのギャラで!!」

弟「だから恩返しとして掃除手伝えと!?」

兄「それ以外に何がある!?」

弟「わかった、お前にも3DDS買ってやるから!!
掃除はカンベン!!」

兄「いらん!!3DDSなんてハイテクなもの、俺は使いこなせない!!」

弟「ジジイかテメェは!!」

兄「とにかくやれ!!
掃除を手伝え!!それが嫌だったら俺の誕生日会中、俺のそばにずっと寄り添ってろ!!『兄さん愛してるよ…。』的なノリで…!!」

弟「チッ…
じゃあ、そ…」

兄「うん、そうだな!!掃除がいいよな!!さぁ、やろう!!」

弟「違う、そばに寄り添ってやる。猫のごとく…!!」

兄「えーー!!?」




掃除が本当に嫌だったのか、
もしくは寝起きのためか、


いつもは口にしないような言葉を吐いた弟でした。





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