Akastuki

□サソリの憂鬱
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『サソリの憂鬱』



もう4月に入り、東京でもそろそろ桜が咲き乱れる時期となった。


夏から営業を開始していたBARサソリ座の女だが、
ここまで例の4人の客以外、常連は全くできていない。


毎日赤字が続き、
サソリの両親からの借金はそろそろピークを迎えていた。



そんなある日、
春らしい暖かな陽気の日に、BARのマスターことサソリ(35)にとって悪寒の走るようなニュースが飛び込んで来たのだった。



蠍「はぁ!?」


その知らせを聞いて、青ざめる店長。


蠍「それ、マジ!?」

サ「ああ。だって直接アイツから聞いたんだもん。
…ここの近くの焼き肉屋が潰れて、新たに大蛇丸経営のバーができるって。」

蠍「げーッ」

デ「大蛇丸のバーって…"snake"っつーゲイバー?」

サ「そう。
なんか元々は歌舞伎町で店開いてたらしいんだけどな、
そこで結構繁盛できたらしくって、金も貯まったから少しリッチなこの近辺に移転してきたんだと。」

イ「その移転先があの焼き肉屋か…。」

ナ「そこって、ここから100メートルもないじゃん。」

デ「めっちゃご近所だな。うん。」

蠍「うわうわうわ…マジかよおい…
神もドSだなコノヤロウ…。」

サ「アイツの店、最近じゃ雑誌にも載るような一流店に進化しつつあるから気をつけた方がいいぞ?」

蠍「…ただでさえこっちは客が来ねーっつーのに…何してくれてんだあのヘビッ
あの野郎もなかなかのドSだなクソッ」

イ「サソリ…。」

蠍「何ッ」

イ「こーゆー時は、嘆くばっかりじゃ何も始まらないんだ。」

蠍「だから何だよ。
お前は俺に何をしろって?」

イ「マスターも、努力をして立派なバーテンダーになればいい。
そうすればおのずと客も来るはずだ。」

蠍「んなこたー分かってんだよッ
でもな…フツー、バーテンダーっつーのには師がいるもんなんだ。
なのに俺にはそれがいねぇッ
イコール立派なバーテンダーになる極意を誰からも教えてもらえねぇってことだ!!
うわっ…どーしよ…俺の未来もうないわ…。(頭を抱える)」

ナ「マスター…。」

デ「おい九尾。あんたなら顔広いだろ?誰か旦那の面倒見てくれそうな奴いねーのか?」

ナ「…バーテンダーの知り合いは…いねーなァ…。」

サ「え?何で。
いるじゃん。」

ナ「は?どこに…。」

サ「…大蛇丸。」

ナ「ああ!!」

イ「…だ、そうだマスター。」

蠍「ふざけんな。
何でライバル店のヤローに教わんなきゃならねーんだよ。」

デ「大丈夫だって旦那。
向こうはライバル店にできるほど落ちこぼれてないから。
それに相手にもされねーだろうな。こんなちんけなBAR。」

蠍「本気でくぐつにすんぞテメェ…。」

イ「まぁそう怒るな。
デイダラは本当のことを言ったまでなんだから。」

蠍「お前にちんけって思われんのが最も腹立つ!!」


と、そこに店のドアが開く音。


今彼らの中で話題沸騰中の大蛇丸が来店。


大「おっひさ〜

蠍「うわっ…おめー何しに来たッ
キモいんだよ帰れ!!」

大「ちょっ…レディに向かって何よサイテー。」

サ「レディ…?」

ナ「オッサンの間違いだろ…。」

大「ナルトくん聞こえてるわよ?」

蠍「で、用件は何だ。
強盗か?ケーサツ呼ぶぞ?」

大「そんなわけないでしょ。大体、強盗したって何も出て来やしないじゃないの。
そうじゃなくって、挨拶よ。
近所に引っ越してきたばかりだから。」

蠍「知ってらい!!
ゲイバー"snake"だろ!?」

大「あら、知っててもらえて光栄だわ?
…それと、夜はBARになってるけど昼間は普通のカフェも営業してるから、未成年の子も気軽に立ち寄ってね
そういう事だから、よろしく〜(手を軽くふって店の外へ出ようとする)」

蠍「フンッ」

デ「あ、ちょっと待ったオッサン。」

大「私はレディよ!!
…で、何?」

デ「サソリの旦那がさぁ、アンタの奴隷になりたいっつってんだけどよ…」

蠍「おい、奴隷になりたいなんて一言も言ってねーぞ?」

大「ふ〜ん?奴隷?私の?
あなたいつからそんなドMになったの?」

蠍「だから奴隷になりたいなんて一言も」

サ「ヒールで踏まれたいんだって。」

ナ「靴もなめるらしいぜ?」

イ「ムチとかloveだそうだ。」

蠍「ちょっと待てよお前ら。
何勝手に人様のキャラ変えてんだよ。」

大「あら…じゃあ夜に私のところに来なさい。
たっぷり可愛がってあげる。」

蠍「おめーも何でこいつらの言葉信じ込んでんだよッ
夜誘われても行かねーよッおぞましい…!!」

大「えー?来てくれないの?つまんない。」

蠍「つまんないって、お前は俺に何を求めてるんだよ。」

大「そんな真剣に逃げようとしないで頂戴。
ジョークなんだから。
…それで…ホントは何なの?奴隷じゃなくて。」

蠍「いや、なにもない。」

イ「マスターをあなたの弟子にしてやってください。
彼も一流のバーテンダーになりたいらしいんで。」

蠍「それはお前らの意見だろ。
俺はこんな奴の弟子になるなんて嫌だからな。
なんか洗脳されそうだし。」

デ「そう言わずに弟子にしてもらえよ…うん。」

イ「今のマスターのカクテルはくそまずいからな。」

蠍「うるせぇ。」

大「…弟子?このちびっこい赤毛を?」

蠍「ちびっこいゆーな。」

大「えー…(顔をしかめる)」

蠍「ほら、大蛇丸もめっちゃ嫌がってんじゃねーかよ。
やっぱいいよ。別のバーテンダー探そうぜ?」

大「うんそうね。そうしたほうがいいかも。
私だってあんなちっせーオヤジを店に置きたくないわ。」

蠍「俺だって、あんな変態ジジイのそばにいたくねぇ。」

大「ジジイじゃないわ。私はレディよ。さっきから言ってるでしょ、いい加減覚えなさい。」

サ「あのさ…」

大「ん?なぁに?サスケくんw」

サ「俺が赤毛チビにアンタのこと推薦したんだよねぇ…。」

大「え?そうなの?」

サ「だから、サソリがお前んとこに行くのは、俺の一つの願でもあるわけで…。」

大「サソリ。」

蠍「はい?」

大「さっそく私の店に来なさい。色々仕込んであげる。」

蠍「気の変わりはえーよ。
仕込むって何だよこえーな。
お前も変なこと口走ってんじゃねーよ。」

サ「なははははw」

蠍「なんだその優越感に浸ったよーな笑い方…ムカつく。」

大「ブチブチ言ってないでさっさとついて来る!!
一流になるんでしょ!?」

蠍「(ボソッと)んだよえらそーに…。」

デ「旦那頑張れ!!」

イ「生き延びろよ!?」

ナ「貞操とかしっかり!!」

サ「あの…呪印には気をつけて。」

蠍「なんかおまえらの心配事がダイナミックすぎて本気で怖くなってきたんだけど…。」

ナ「あ、あと、夜に口笛は吹くんじゃねーぞ?
蛇が出てくるから。」

蠍「九尾のガキ…それはな、ただの迷信だ。」

大「ほらー、早く!!
サスケくんの頼み事でもあるんだから、ちゃんとやっとかなきゃいけないの!!(サソリの腕をつかむ)」

蠍「触るなよッ」

大「そーいうことだから、このチビ、しばらくお預かりするわね?」

サ「どーぞどーぞw」

デ「行ってらっしゃい旦那w」

ナ「お元気でw」

イ(両手で顔を覆って笑い顔を隠す)

蠍「貴様らなんか楽しそうだなッ
っつーか俺を快く送り出すなッ引き留めろよ!!(怒鳴りつつ大蛇丸に引きずられ、ドアの前へ)」

大「…それでは、BARサソリ座の女、常連客の皆さん。
…アディオス(ウィンク、そのままサソリを引きずりながら外へ)」

蠍「ヘルプミー!!!」


BARの店長、その言葉を最後にオカマに連れ去られる。


ドアが閉まる音。


店内に残された常連客4人。




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