Akastuki

□イタチの恋路
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『イタチの恋路』



一月もあとわずか。

二月半ばに存在するあの、一大イベントに向けて、
男どもは自分磨きにいそしむ毎日である。


ここのBARのある常連客も、
自分磨きをひそかに行っていた。


イ「…と、いうことで、約二週間後に、バレンタインと言う一大イベントがあるわけだが…サスケ。」

サ「…はい。」

イ「愛情こもったチョコレートの方の準備は着々と進んでいるか?」

サ「…いや。」

イ「何故!?」

サ「何故って、俺逆チョコとかに興味ない…」

イ「さてはお前!!この兄さんにバレンタイン、渡さない気でいるんだろう…!!
ああ、なんという薄情者!!愛はギブ&テイクなのに!!」

サ「…は?」


おかしなことを叫びだすイタチ。

そんな彼に静粛を呼び掛けたのはBARのマスターことサソリ。


蠍「まーまー、落ちつけよ。
イタチ、お前は何がしたいんだ?」

イ「弟からの愛を確かめたいだけです。」

サ「別に兄への愛なんてないから確かめようもねーけどナ。」

イ「ん?
なんか言ったか?」

サ「ロン毛カッコイイよ、おにい。」

イ「え…?//」

ナ「めんどうなことになるのを避けてのセリフだな?お前も器用に生きるすべを身につけたのか。」

サ「バカ。イタチに聞こえる。」

デ「旦那、ロン毛カッコイイって。
よかったな、うん。」

イ「そ…そうだな//
も〜なんだよサスケ!!兄さん照れちゃう〜!!(サスケの背中を思いっきり叩く)」

サ「ブゴッ(飲みかけていたトマトジュース嘔吐)」

イ「もぅ!!
そんなこと思っていたのならなんで最初から言ってくれなかったんだwこのツンデレめ〜w(弟の頭をワシャワシャ)」

サ「(小声で)嘘なのに!!調子に乗ってやがる!!」

イ「嘘なの!?」

サ「聞こえてた!?」

イ「ちょっと店長!!この子嘘ついてましたよ!?」

蠍「俺にふるなよめんどうな。」

サ「おせじなことぐらいちゃんと気づけよ…。
なんでそう、お前は単純なんだ…。」

イ「人間、単純が何よりだぞ!?」

蠍「詐欺に引っ掛かりやすいパターンだな。」

デ「特にオレオレ詐欺とかいうすごくわかりやすいもの辺りに引っ掛かりそう。」

ナ「お疲れ!!」

サ「そんなこと言ってるお前も、なかなかの単純さの持ち主だぞ!?」

イ「…というかあの…。」

蠍「ん?どうした?
突然勢いをなくして。」

イ「どうやったら…弟に好かれますかね…。
店長、これ、相談です。」

蠍「相談?バッチコーイ!!」

サ「そーいうのは本人がいないときにしろよ…。」

イ「で、どうしたらいいと思います?」

蠍「うーんそうだな…
あ、その前に、相談一回につき1000円。」

イ「金とるんですか!?
どこの占い師ですか!!
つーか俺無職なんで金持ってません!!」

蠍「なんだ嫌なのか?
だったら相談のらねーけど。」

イ「わかりました払いますぅ!!
デイダラ1000円貸せ!!」

デ「え!?オイラですか!?」

イ「いいから!!」

デ「もー、オイラだって金持ってねーのに…(しぶしぶイタチに1000円を渡す)」

イ「サンクス!!」

サ「イタチに金貸すと帰って来ねーぞ?」

デ「それ先に言え!!」


イタチはデイダラから借りた(奪い取った)1000円を広げてマスターに渡す。


イ「よろしくお願いします。」

蠍「(1000円を眺めながら)まいど。」

イ「で、あの…相談…」

蠍「ああそうだな。
言ってみろ、悩み事。」

イ「…俺は、いつもサスケにこれでもかと愛情を注いでいるのに一向に彼はこっちを振り向いてくれません…。
いったい、俺の何が気に食わないというのでしょうか…。」

蠍「そーいうのは、直接本人に聞きやがれ。
多分沢山お前の欠点を言ってくれるさ。」

イ「それじゃダメなんです!!
心のHPがすり減って、立ち直れなくなります俺!!」

蠍「自分を進化させるには、耐えることも必要だぞ?」

イ「無理です!!耐え抜くには荷が重すぎます!!」

蠍「よわっちーなァ…。」

デ「しっかりしろ旦那!!」

ナ「お兄ちゃんだろ!?」

イ「俺は今まで、サスケに振り向いてもらおうと、さまざまなことをしてきました。
冬は、寝るとき、サスケが寒くないように、風邪をひかないようにって、毎晩彼の布団の中にもぐって、寄り添いながら一緒に寝てやりました…。」

サ「それはお前がしたかったんだろ?」

イ「春も、サスケが寝ている間に花粉症にならないようにって、毎晩、彼の布団の中にもぐってサスケの代わりに俺が花粉を全部吸っていました…。」

サ「絶対意味をなしてないよその行為…」

イ「夏も、サスケが暑くて毎晩もがきながら寝ていたから、冷え性な俺を抱き枕にでもして自分の体を冷やしてもらおうと思っていつも、彼に密着して、共に就寝していました。」

サ「だから夏はあんなに寝心地が悪かったのか…」

イ「秋はもう…
夏が去ってしまった寂しさを紛らわすため、毎晩サスケの布団の中に入って彼のぬくもりを感じていました。」

サ「最後は俺のためかんけーない…」

イ「どうです!?
俺はそんなことまでして頑張ってるんですよ!?
こんないろんなことを…」

蠍「いろんな事って、
全部布団に侵入してるだけじゃねーか!!
もうここまで来ると呆れてものも言えなくなるよ!!」

デ「うん。
そんなことばっかしてるから、振り向いてもらえないんじゃないのか?」

イ「そんな事って…!!」

ナ「サスケがかわいそうだってばよ。
救出してあげたくなる。」

サ「おーおー、俺をこのスケベェから助けてくれ。」

蠍「残念だが、お前の相談にはいいアドバイスしてやれない。これ以上変なアプローチでもしたらイタチ、警察に御用になりそうだからな。」

イ「そ、そんな…!!」

蠍「押してダメなら引いてみろ、だ。
少しはおとなしくしていろ。」

イ「…わかりました。」

蠍「え?素直?」

イ「そこまで言うなら仕方がない。引いてみましょう…。」

サ「うわぁ…何これ夢ですか?イタチが引くなんてこんな願ってもないこと…」

イ「と、言うことだからサスケ…。
兄さんの嫌なところを、1つずつ、言って行ってくれないか?
俺は言われた性格をすべて抑えて見せる。」

蠍「さっきまで直接聞くのが怖いとか言ってたくせに何なんだこの変わりよう…。」

サ「マジで?
俺お前のその言葉信じていいのか?」

イ「もちろん。
さぁ…来い!!」

蠍「ダメそうだったら言えよ〜?
俺が精神科医連れて行ってやる。」

イ「あ、待って。
くれぐれも俺のすべてが嫌だとか言わないでくれよ?
さすがにそれだと兄さん、泡になって消えるしか術がなくなる…。」

サ「わーてるって…。」

イ「ならいいんだ。」

サ「じゃあ…えー、まず、
お前のストーカー行為。」

イ「が、嫌なんだな?
よしわかった。今その性癖を抹消して見せよう…。
(自らのこめかみを人差し指で押え)ワッショイ!!
…よし抹消。」

デ「え!?そんなんで抹消出来たのか!?うん!!」

サ「…お前の長い髪。」

イ「わかりました美容院予約しておきます!!」

サ「下まつ毛。」

イ「マスター!!あとではさみと鏡貸して下さい!!」

蠍「了解。」

サ「鼻筋にある、変なシワ。」

イ「ヒアルロン酸注入!!」

サ「その現代的じゃない口調。」

イ「わかったぜ!!治してみせるぜ!!」

サ「あとは…」

ナ「なぁ。思ったんだけどさ。」

サ「?」

ナ「そんないちいちイタチの欠点言って行くんじゃなくて、
こいつの一番カッコよかった時期を言って、それをキープしてもらえばいい話なんじゃね?
まぁ、カッコイイ時期がなかったらどうしようもねーけど。」

サ「ナルトお前…!!
意外と天才!!」

ナ「意外?」

蠍「でもあんのかよ。イタチをカッコイイと思った時期なんて。」

サ「ある。ワンシーンだけだがある。」

デ「もしかしてアレか…?
『許せサスケ…これで終わりだ。』辺り…?」

イ「おお!!なるほど!!」

サ「違う。」

ナ「え?ちげーの?」

サ「俺は、そこじゃなくてあそこ、
第一期の時、はじめてイタチが登場して、俺と再会したシーン。あそこが完璧にカッコよかった。
そこからどんどんお前…廃れて行ったよな…?」

イ「第一期の俺の初登場シーン…?
ってアレか!!?サスケを俺がボコボコにするあのシーン!?」

サ「そう。」

イ「またまたお前は!!何でそうマイナーなところをチョイスしてくるんだ!!
俺にあの時の卑劣さをキープしろと言うのか!?
てゆーかあの時、俺とても心を痛ませながら行動してたんだけど!?
ホントにもう…監督にキャラ変更を頼もうかと思ってたくらいなんだけど!?」

サ「しらねーよ。」

蠍「そうだぞイタチ。
せっかく言ってくれたんだからそう文句ばかり言うんじゃねーよ。
死ぬシーンが最高でしたよりはましだろう?」

イ「確かに…そうですけど…。」

デ「もう一回、そこの部分演技ってみたらどうだ?イタチの旦那。」

イ「えー…嫌だ…。」

サ「やってよ。」

イ「…サスケが言うならやります。」

蠍「んだそれ。」

イ「(一つ咳払いをして)
…お前は弱い…何故弱いか…」

サ「…。」

イ「足りないからだ、憎しみが…(若干泣きそう)」

サ(半笑い)

イ「この俺を倒したければ…
憎め…恨め…もう無理です!!勘弁して下さい!!」

蠍「ギブアップはえーよ!!」

イ「…だって…。」

サ「大丈夫だイタチ。」

イ「…?」

サ「(超さわやかな笑みで)もう憎んでる。」

イ「…っ」





その日、

BARサソリ座の女の店内には、
イタチのすさまじい鳴き声が響いていたという。














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セリフ:コミック17巻参照。

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