If they are...

□冬の温もり
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「うわー!!!やめろー!!!」



封を開けさせまいと騒ぐサスケをお構いなしに
どんどん紙袋を開けていくイタチ。


「お!!開いた!!」


しばらくして呟いた。

それから紙袋のなかに手を突っ込んで中に入っている代物を取り出し始める。


サスケはと言うと
「わぁー…俺の人生終わったわー…」
なんて言って頭を抱えてしゃがみ込んでいた。



人生終わるほど見られたくないものだったのか?



どんだけビッグな浮気だテメェ。



俺はチャラ男なサスケを一瞥したあと
若干ためらいつつその取り出されたものを確認した。


「…写真?」


取り出されたものとは写真で、

それはこの前廊下に張り出されていた修学旅行の時の思い出のピクチャーたち。



別にヤバいもんでもなんでもねーじゃん。



なんでこんなんで人生終わるとか言うんだコイツは。



俺はサスケをもう一度見る。

彼はまだ頭を抱えていた。



…あ、まさか、

この白髪とイチャイチャしてる写真が仰山あるとか?



うわ、だったらあり得そうだし

マジで許せねーわ。



ほとんど確信。

やっぱりこの部屋の住人同士はつき合ってたんじゃん。



そう思っていたけれど、

イタチからは意外な言葉。


「サスケ…なんで自分の写真はなくて、全部ナルトくんの写真なんだ…?」





…え。





「いや…だからその…」


めちゃくちゃどもるサスケ。


「ストーカーみたいなことするねサスケって。」


白髪は呆れ顔で布団へと戻っていった。


「こらサスケ…。
これはどーゆーことだ?」


イタチはそんなサスケを問い詰める。


「えーっと…だからえと…
アレ、だよほら、いつでも、寂しくないように…」

「ほう…。
寂しかったらいつでも兄さんが飛んできてやるのに何故彼…?」

「だから…」


うわっ…

絶対サスケの奴、付き合ってるからですとかいいそうだ!!


たのむからこれが俺のハニーですとか言って、俺のこと指さないでくれ!!


「しかもなんでさっきお前はナルトくんと手を繋いでいたんだ…?」

「それはな、」

「暖を取り合っていたんだ!!」


サスケだけに回答を任せるのは不安だったから、

俺も途中割り込み。


「暖をとるなら、手袋とかホッカイロでも十分だろう!!」

「手袋とかホッカイロがなかったんだ!!」

「じゃあポケットに手を突っ込むとか、手なんかつながなくたって色々あるだろうが!!」

「俺たちバカなんで手つなぐ以外の方法が思いつかなかったんです!!」

「どんだけ!?」

「つーか兄貴…。
あんた受験中だろ。なんでこんなとこにノコノコやってきてんだよ。勉強は?受験勉強。」


俺が必死で弁解してイタチがそれに全力で突っ込んでいたら

サスケが静かに言った。



…そっか。
サスケの兄ちゃん高3か…。



「フフン…受験か…。
弟よよく聞きなさい。
兄さんは、もうとっくのとうに推薦合格してるんだよ。」

「え?まじ?」

「どこ受かったんですか?」

「慶○義塾大学、文学部…」


自慢げに大学名を言うイタチがかなりうざい。


「どうだみたか?
サスケも、兄さんを見習って、日々勉強に勤しみなさい。」

「だまれよ。」

「なっ…」


サスケは口調を強めにそう言い放つと、
ゆっくりと立ち上がって俺の元へと寄ってきた。


そしてそのまま俺の手をつかむとイタチのことをじっと見据える。


イタチもそれに応えるように、いきなり真剣な顔つきになった。


「…兄さんはな、聞いたんだ。
お前が男色家になったという噂を。」

「だから何だ。」

「俺はそれを、嘘だと信じたいんだが…。」

「信じたければ勝手にしろ。
その代わりお前は俺に関する情報が間違っていると言うことになるがな。」

「え、おいサスケ…」

俺たち付き合ってますとかまじ言うなよ?

「じゃあ…お前が男色家だという噂はホントなのか?」

「さぁな。」

「はっきり答えなさい。」


だんだんと顔が怖くなっているイタチを気にすることなく

平然と俺に密着してくるサスケ。


「…それでは、単刀直入に聞くとするか。
…サスケ、ナルトくんとは、一体どういった関係なのかな?」


単刀直入すぎるだろ!!


「友達です!!」


サスケと付き合ってるなんて世間一般では貶されるようなことがバレるのが嫌で、

すかさず俺はそう言って誤魔化そうとした。


「ナルトくん。
俺は君に質問してるんじゃなくてサスケに質問しているんだ。」


だがそのイタチのセリフによって、せっかくの誤魔化しは意味を成し遂げず…。


「どうなんだ?サスケ。」


サスケに詰め寄るイタチ。


…ヤバいよ。
サスケ、絶対言うなよ?


そんな思いを目線でサスケにアピールする。


一度は気づいてくれた彼だが、無表情、うんともすんとも言わずまたイタチの方に向き直ってしまった。


「…悪いか?つき合ってても。」


サスケは動揺もせず、
堂々と言った。


「ちょ…」


何やってんだテメェ!!





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