titles

□反対意見
1ページ/1ページ


 「こっちよ!」

 「絶対こっちだ!」

 「だってほら、よく見てよ!あたしはこのふわってした感じが好きなのっ」

 「俺はこっちのシンプルなほうが断然いいっ!シンプル・イズ・ベスト!」

 「嫌よっ、地味じゃない!」

 「何だと!?」







 額を突き合わせて言い合いをヒートアップさせていく乱馬とあかね。なびきは眉間に皺を寄せながら、そんな傍迷惑な二人を傍観している。

 なびきの隣で茶を啜るかすみは、「仲良しさんね〜」とこちらもある意味傍観モード。


 「ねえ、あの二人何で揉めてんの?」

 「結婚式のウエディングドレスですって」

 「……はあ」






 「お〜ね〜が〜い〜乱馬、一生に一度の晴れ姿なのよ!華やかなドレスを着たいっていう女心を分かってよ!」

 「……あっ!」

 「なになに!?やっと認めてくれた!?」

 「やっぱこっちの和装のほうがあかねには似合うんじゃねーか!?ほらほら、この柄!」

 「…あんたね、さっきから何回コロコロ意見変えてんのよ…」

 「だ〜〜っ、決めらんねぇぇ!!」






 「…で、結局膠着状態になっちゃったってわけ?」


 なびきは鼻で笑いながら、ぐったりと喧嘩疲れで項垂れる乱馬とあかねを見遣る。その周りには結婚の情報誌が散乱し放題。


 「あかねの衣装なのに、乱馬くんのほうが張り切っちゃってるみたいね」

 「全く…変態体質のせいで女装癖がついちゃった後遺症でしょ」

 「なびき、言い過ぎよ」

 「だって、さっきの乱馬くんの目見た?爛々としてたわよ!あ〜気持ち悪」


 



 
 「おいあかね、やっぱりこっちのほうが…」

 「ああっもうしつこい!何でも良いわよ何でもっ!!」

 「何でもいいわけねーだろ!一生に一度の晴れ姿なんだからよ!」

 「だったら口出ししないでよぉぉぉ!!!」






end.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ