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□反対意見
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「こっちよ!」
「絶対こっちだ!」
「だってほら、よく見てよ!あたしはこのふわってした感じが好きなのっ」
「俺はこっちのシンプルなほうが断然いいっ!シンプル・イズ・ベスト!」
「嫌よっ、地味じゃない!」
「何だと!?」
額を突き合わせて言い合いをヒートアップさせていく乱馬とあかね。なびきは眉間に皺を寄せながら、そんな傍迷惑な二人を傍観している。
なびきの隣で茶を啜るかすみは、「仲良しさんね〜」とこちらもある意味傍観モード。
「ねえ、あの二人何で揉めてんの?」
「結婚式のウエディングドレスですって」
「……はあ」
「お〜ね〜が〜い〜乱馬、一生に一度の晴れ姿なのよ!華やかなドレスを着たいっていう女心を分かってよ!」
「……あっ!」
「なになに!?やっと認めてくれた!?」
「やっぱこっちの和装のほうがあかねには似合うんじゃねーか!?ほらほら、この柄!」
「…あんたね、さっきから何回コロコロ意見変えてんのよ…」
「だ〜〜っ、決めらんねぇぇ!!」
「…で、結局膠着状態になっちゃったってわけ?」
なびきは鼻で笑いながら、ぐったりと喧嘩疲れで項垂れる乱馬とあかねを見遣る。その周りには結婚の情報誌が散乱し放題。
「あかねの衣装なのに、乱馬くんのほうが張り切っちゃってるみたいね」
「全く…変態体質のせいで女装癖がついちゃった後遺症でしょ」
「なびき、言い過ぎよ」
「だって、さっきの乱馬くんの目見た?爛々としてたわよ!あ〜気持ち悪」
「おいあかね、やっぱりこっちのほうが…」
「ああっもうしつこい!何でも良いわよ何でもっ!!」
「何でもいいわけねーだろ!一生に一度の晴れ姿なんだからよ!」
「だったら口出ししないでよぉぉぉ!!!」
end.