ざざ・・・・ん 打ち寄せてはあるべき場所へと還ってゆく波の音。 その潮の香り。 冷たい凍れる海に手を浸した感触。 しおからいその味。 青い青い、大海と大空の色。 あの日確かに、わたしのこの五感全てに、あの瞬間を刻み込んだはずなのに。 時は残酷にも、すべてを奪い去ってゆく。 あの海岸で、掬ってはこの指の間から零れ落ちた、さらさらとした砂のように。. →次へ [戻る] [TOPへ] [しおり] カスタマイズ ©フォレストページ