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□スコア
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ある日突然、人間の少年として千尋と同じ中学校に入学してきたハク。
その日以来、自然と二人はつきあうようになり、周囲にもそれは周知の事実となっている。
容姿端麗・頭脳明晰の完璧少年ハクは、無口であまり人と交流を持とうとしないが、恋人の千尋にだけは周りから見ても……デレデレに甘い。
指を絡めて歩くなど日常茶飯事、休み時間にはいつも千尋の席に来てディープなコミュニケーションを図ろうとする。
とにかくスキンシップが多く、オープンすぎるハクの行動の数々。
千尋は気恥ずかしいやら嬉しいやらで、周囲からの視線に耐えぬいているのだった。
「できたよ、千尋」
早紀がまたシャープペンシルで千尋の額を突き、千尋の意識は彼女とのやりとりに強制的に戻される。
「これやってみて」
にやけ顔で何気なく渡された紙を見て、千尋は…思わずぴしりと硬直した。
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速水ハク
・ルックス __点
・性格 __点
・頭 __点
・愛情 __点
・スキンシップ __点
合計 __点
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「な、なにこれっ!?」
「なにって…見ればわかるでしょ、アンケートだよ」
「そうじゃなくてっ!!」
こんなに気恥ずかしいものを…!と赤面する千尋を余所に、早紀はペンを彼女に押し付ける。
「いいじゃん、減るものでもあるまいし。やってみなよ。彼氏と向き合ういい機会かもよ?」
人にスコアを付けることのどこがいい機会なのか、今一つ判然としない千尋だったが。
この親友は嫌と言えば何十倍にもして後々返してくるタイプなので、溜息をつきながらもおとなしくペンをとることにしたのだった。
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