「…あかね」
突然聞こえてきた声に、瞬時に覚醒したあかねはあまりに驚いて、ベッドから飛び起きた。
「ら、乱馬!」
「しーっ!!大きな声出すなよ、今何時だと思ってんだ?」
「それはこっちの台詞よ!」
あかねは肩で呼吸しながら、ベッドの脇から自分を見下ろしている乱馬を軽く睨みつけた。そして彼のすぐそばに置かれている時計を見て、眉を思い切り顰めた。
「…まだ朝の四時じゃない!何だって言うのよ?」
乱馬はあかねが怒っているにもかかわらず、どこか上機嫌に口笛を吹いた。
「早く起きて、支度しろ。出かけるぞ」
「えっ、こんな時間に!?」
「いいから、早くしろよ!十分以内に支度しろ、いいな?」
そう言って一方的に戸を閉めた乱馬を、一瞬呆気に取られたように見て、まったく自分勝手なんだからとあかねはため息をついた。