IS〜インフィニット・ストラトス〜

□第2章
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“天雷”の瞬時展開を終えた鋼夜は、“天空”と“迅雷”の2刀を柄尻で連結させ
自身の纏うISの名を借る弓“天雷”の形へと移行させると
同時に攻撃型の展開装甲を高機動型へと変更させていた




「うむ、悪くはないな。だが強いていうのであれば、瞬時展開の際に“天雷”での形成を目指せ」



『ご指摘ありがとうございます。今後はよりいっそう精進致します』



「ふっ、まあいい。だが忘れるな?間違っても力には溺れるな。いいな?」




千冬の言葉に鋼夜は無言で頷き、その言葉を自身の心に刻みつける。
自身の持つ力が如何に危険で強大な物であるのかということを……




「それでは次に行くぞ。次はISの基本的な飛行操縦を実演してもらう。
織斑とオルコット、その場から急上昇しろ」



「はい!」




セシリアが千冬の指示に従い上空へと急上昇していくなか



一夏はただ茫然とセシリアが空中に上がって行くのを見ており、
それに倣い上空へとあがろうとしているのだが……




「何をのろのろしている」




余りの遅さに千冬が一夏にダメ出しを出すほど飛行速度が遅かった









SIDE 鋼夜


俺は思わず溜息を吐きたくなっていた。流石にあれはないと思いたい




『<“白式”は、俺の“天雷”と同等のスペックを持つ機体の筈だが……>』




確かに根本的な部分は違う。“天雷”の基本方針は防御を捨てた攻撃と機動
それに対して“白式”の基本方針は純粋な攻撃力を追及したと言ってもいいと思う



だが、それでもスペック上では現存のISとは比較にならない程のハイスペックであることには変わりがなく




『<本来であれば“ブルーティアーズ”の追随を許さないまでは行かないが
それでも同等か、もしくはそれ以上の速度が出る筈だ>』




確かにISは自身のイメージが物を言う部分が強く空を飛ぶという行動1つを取っても
自身が“飛ぶ”イメージがないと――――




『<そういうことか。一夏の奴、“飛ぶ”というイメージが出来ていないから困惑しているのか>』




なるほどな。それならば今度、凧にでも括りつけて空に上げてでもやろうか?
恐怖自体は凄まじいが“飛ぶ”というイメージを掴む点では問題はないだろう



俺が束さんに“飛ぶ”というイメージがないと伝えた結果、
迎えた手作りのロケットに括りつけられてパラシュート1つで上空に打ち上げられたよりは
千倍も万倍もマシだろうからな。そう考えると少しだけ楽しみに―――って、俺はいったい何を考えているんだ?




「鋼夜、大丈夫か?」



『あ、あぁ……ちょっと黒い感情に流されかけただけだ。全く以って問題はない』



「まあ、それならばいいのだが」



『すまない。箒』




心配してくれたのか箒に話しかけられて、完全に此方側に戻って来ることが出来た



その後、千冬さんが何時まで経っても下りて来ない一夏とオルコットに痺れを切らせて
“早く下りて来ないと起動前のISを背負わせてグラウンドを10周走らせるぞ”との言葉に
慌てて急降下してきた一夏が地面に大穴を開けて衝突したのは余談である
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