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□不幸な幸せを教えて
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バカがつくほど、真面目で。うまく世の中生きれなくて。自分のこういう性格は理解している。だって前世からそうなのだ。

太子から貰ったジャージを律儀に来ていたのは僕だけだし。

内容がアレだったので、手紙を無くしたとか嘘を言った時は流罪にされるところだった(太子のおかげで何とか助かった)。




今だって、一瞬の偽善で、今まで平々凡々と生きてきた世界から外れた。

嫌になるんだ、こういうとこ。





「私は好きだけどな。妹子のそういうとこ」






あっさりと言い放つ太子の顔は満面の笑みで。
そういえば、太子は前も僕の真面目な所が好きと諭してくれた。そんなことを思い出していた。




そんな風に優しくされたらさらに思いが募ってしまう。どうすれば良いんですか。





「ありがとうございます」


小さくお礼を言い、トイレを出た。両手で顔を覆う。心の中がぐちゃぐちゃだ。太子の言動は僕の核心を掻き乱す。



どん、と肩がぶつかる。
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