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□お久しぶりです
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そう、さっき言った面白い奴の一人が、今怒られている少年、小野妹子なわけなのだが、俺の知ってるこいつは真面目で、どちらかといえばツッコミの人だ。
「わかりました」
そうぽつり、と行って小野は踵を返した。
受け入れている様子、何があったんだろうと、背中を見送る。しかし、面白いことを思いついた俺は彼を追い掛けた。
「待って!」
昇降口の前辺りで彼を捕まえる。振り向いた彼は冷たい目をしていた。その眼球はガラス玉みたいだ、と思った。
「退学おめでとう」
彼の顔がおもいっきり歪む。ここまではっきりと感情を露にされるといっそ清々しい。
「………ふざけてんのか。誰だ。」
「俺は日和学園の教師、閻魔っつーんだ。よろしくっ」
「先公かよ。消えろ」
そういうと彼は、舌打ちをした。
んー君のキャラじゃない、と俺は頭を掻いた。
「まーまーそうプリプリせず。良い話だ。日和学園に来ないか」
「はぁ?」
「何バカなこと言ってんだ」
「OKしてくれる?」
「するわけねーだろ」
吐き捨てて、スタスタと歩く小野を追い掛ける。
俺の知ってる小野とはまるで違うなぁと困惑したが、この小野はあの小野とパーソナリティーは一緒だが、今まで生きてきた環境が違うから仕方ないのかもしれない。
待てよ、と追い掛けた。