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□必然と偶然
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「曽良、帰んの?」
「うん。次、ばかジジイの授業だし」
「はは、ひでぇ。ま、いーやじゃあオレもサボろっ」
ここは私立日和学園。長い歴史があり、さらになかなか偏差値の高い、名門校だ。
その中でも一際異彩を放つ二人は親友だった。
素行が著しく悪い二人のうちの一人、曽良は遅刻魔であり、サボり魔。その上、古典担当の芭蕉先生には暴力を振るう始末。
片割れの鬼男は派手な金髪に、ピアスをたくさん付けている。その上新任の閻魔先生を激しくなめている。
だが、なまじ成績が良いのと、この二人に注意するのが怖いため、先生達からは見過ごされているのだ。当の二人はというと、緩い校風を居心地良いと感じていた。
さらに担任の太子先生はというと二人の素行など気にする由もない。何故かといえば太子先生も教師なのに素行が悪いからだ。
そんな自由な校舎から抜け出し、二人は帰り始めた。
「途中のコンビニでアイス買おーぜ。アイス食べたい」
「あぁ」