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□朝起きたら、一番に
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【朝起きたら、一番に】
朝、目が覚めたルークがまず、することと言えば、隣をそぅっと確認し、
「おはよう、アッシュ」
隣で寝ているアッシュに声を掛けることだ。そしてゆっくりと、アッシュが目覚めぬ様、唇に目覚めのキスをする。
この習慣はアッシュが寝ている時だけ、つまりルークが先に起きた時だけ行われている。
それは何故か。
恥ずかしいからだ。
ルークは何度もアッシュと躯を重ねているとはいえ、面と向かって愛を囁けるほどにはルークはなっていない。
だからといって、乙女みたいなことをしている自分も相当恥ずかしいことをしていると自覚がある。
それ故に、アッシュよりも早く目が覚め彼にキスをした後のルークは幸せでもありながら、恥ずかしさで顔が火照っている状態だ。
あー、今日も暑いななどと(主に顔を)手で仰ぎながら(しかも夏は終わった)ルークはベッドから起き上がろうとした。
だが、突如として掴まれた腕にルークはバランスを崩し、ベッドに深く沈み込む。
「ぅわっ!!」
掴まれた腕、掴んでいる腕、そこから先、へと視線を動かすと、案の定、
「あ、アッシュ?!」
「…どこに行く」
寝起きなのだろうか、少しぼんやりとしているようだ。
反射的にルークの腕を掴んだのだとしたら、ある意味、驚きだ。
「お、お起きてたのかよ」
「どこに行く」
「え?あぁ、き着替えようと思って」
少々どもりながら答えるルーク。それよりも、腕を掴まれているせいで起き上がれない。
「腕、放してくんない…?」
「…」
「ほら、もう起きないとだし」
平静を装い、ルークはアッシュの腕を剥しに掛かる。が、実際はあの口付けがバレているんじゃ…と内心焦りまくっているのだが。
***