黄色い彼女

□06
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暗い路地を歩く。
地球人から身を隠すために、人気の無いところで皆は店を営む。

『急がねぇと隊長がうるさいよなぁ』

でも面倒だ、と走ったりはしない。
それにヒールを履いているため、走ると足が痛くなる。
荷物はケロロに持たせているから手持ちはほとんどない。
腕の時計を見ると、短針が5を指していた。

しばらく歩いていると、後ろから複数の足音が聞こえた。
立ち止まって後ろを振り向くと、10人はいるであろう見知らぬ宇宙人の群れ。
そいつらは銃を構えていた。

「お前はケロン人か?」

『なんでそう思う?』

「匂いだ」

『へぇ。あんたら見たことねぇ奴らだな』

「見たことないだと?貴様らケロン人は殲滅した宇宙人の顔はすぐ忘れるんだな。我々はガイラ星人。10年前に貴様らケロン人に滅ぼされたのだ!」

そのガイラ星人はいきなり襲ってきた。
こちらは一人だというのに、彼らは全員で一気に襲ってきたのだ。

『チッ、マジかよ…!』

太股に取り付けていた銃を取り出し、奴らに撃ち込んだ。
相手は少し離れた所で止まった。

『デザートイーグルとベレッタ。地球製だからケロン製より劣るがあんたらにはこれで十分だろ』

転送リモコンがケロロに渡した荷物の中にあるので、武器庫にある武器を取り出せない。だから、もしものために、と隠し持っていたのだ。

「なめやがって…!」

ワラワラと襲ってくる奴らを倒しながら、隊長迎えに来ないかな、なんて思った。



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その頃、ケロロはというと…

「あれ欲しいな〜、いやあれも捨て難い…あ、あっちも!」

ガンプラを漁っていた。
クルルが大変なことになっているとも知らずに。
はたから見ると、いい大人がガンプラを見ながらニヤニヤしているのだ。

「そういえば、クルルは遅いでありますな〜。かれこれ30分はたってんのに」

早くしないとガンプラ屋が閉まっちゃう、と憤慨するケロロ。
仕方ないと向かえに行くことにした。



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撃っても撃ってもキリがない。明らかにさっきより人数が増えている。
銃弾は掠りもしていないが、返り血は盛大に浴びている。着ていたゴスロリが赤黒く見えるくらいに。
あぁ、ギロロ先輩に怒られるかもな。

『ったく、しぶてぇんだよ』

連射を続けるがいい加減腕が痛い。
せめてケロロの持っている荷物の中にあるリモコンがあれば、結構楽だったかもしれない。
後ろから物音が聞こえた。即座に構える。

『あ、隊長』

「うっわ…!何これ。どしたのクルル?あと、そちらさんは?」

『簡単に話すと、過去にケロン軍が滅ぼした星の生き残りどもだ』

「なんで戦ってんのさ!」

『向こうから襲ってきたんだよ』

ケロロが持っていた荷物に手を突っ込み、リモコンを取り出す。
それを操作して、ケロン製の銃を転送した。

『隊長も頼みますよー』

はい、と銃を手渡す。

「早く終わらせて帰るでありますよ」

はい、と受け取る。
それと同時に相手が襲ってきた。
それからは激しい銃撃戦だった。



最後の一人を倒すと、ホッと一息ついた。

「あーあ、ガンプラ屋閉まったでありますよ」

『今度な〜。カレーをプラスしてプレゼントしてやんよー』

「え?マジ?」

『えぇ、マジです』

ケロロの背後にいた奴が動いた。

「死ね!ケロン人め!」

クルルはとっさにケロロの前に出て、ケロロを庇った。
銃弾は脇腹に当たった。

『グ…ッ!』

クルルはそいつを撃ち返した。

「クルル曹長!」

『チッ…仕留めきれてなかったか…ゲホッ…ウグッ…』

「どど、どうしたら…!」

『リモコン使っ…て、俺らを…転送すりゃあいい…ゲホッ』

クルルは吐血した。
どうやら銃弾に毒でも塗っていたらしい。撃たれた所から、ジワジワと熱が広がっていく。
ケロロはリモコンを操作して、地下秘密基地の会議室に自分達を転送した。



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