黄色い彼女

□04
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――地下秘密基地―

「地球人になるとこの長い廊下を歩くのに苦労せんな」

『確かになぁ。クックックッ』

「貴様は何故ガルルに持たれてるんだ!貴様も地球人になればいいだろう!」

クルルはガルルに抱えられていた。

『めんどくせぇ』

「ガルルもクルルを甘やかすな」

ビシッと指を差す。

「昔の癖だ」

そういえばガルルはクルルの元部下だったな、とギロロは思い出した。

「って、それは甘やかす理由にならん!」


ギロロはクルルの頭をわしづかんで、地球人化銃をクルルの顔面に食い込むほど近づけた。

『あー』

「食らえ!」

ポフンという音がして、クルルも地球人になった。

『…俺は銃を使わなくてもなれるのによ』

「…貴様は中性的だな」

『そりゃどうも』

ヘッドフォンをカチリと回す。
するとまたポフンと音がして、元に戻った。

「なっ!?何故貴様だけ戻れるんだ!」

『自分が不利になるような発明するわけねぇだろー。クークックックッ!それにもう着いたぜ』

いつの間にか、一行は指令室の前にいた。



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in指令室

ビシッとガルル小隊が敬礼する。
「この姿で失礼します。ケロロ軍曹殿」

「い、いえいえ。遠路はるばるご苦労様であります」

『つーことで隊長も』

「ゲロ?」

ガシャンと銃をケロロに向けた。
『地球人になっちゃえ』

「ゲロー!?」

銃の光線を浴びたケロロは地球人になった。
ところどころ緑の髪がはねた明るい青年(?)になった。

『クークックックッ。どうだ?隊長』

「おー!すごい!すごいであります、クルル曹長!その銃貸して貸して!」

ほれ、と銃を貸す。
すると、ケロロは後ろで唖然としていたタママとドロロに放った。
「タマー!?」

「いきなり撃つなんて酷いよ、ケロロくーん!」

煙が晴れたところには、黒髪の少年と忍者服の青色の髪の青年(?)がいた。

「なんだか僕、かわいいですぅ!」

「拙者にこの姿はぴったりでごさるな」

「あとはクルルだけでありますよー」

クルルに銃を向ける。

『クークックックッ』

ヘッドフォンをカチリと回して、地球人になる。

『俺はこれ一つでなれるんで銃はいらないぜぇ』

ヘッドフォンを指差して言う。

「そうだったでありますな」

そこに今まで蚊帳の外だったガルル達が割って入った。

「ケロロ軍曹、本日我々が来たのは」

『休暇らしいぜぇ。一泊二日の。』

「少佐、話に割り込まないでください」

『長ったらしく話されるのは嫌なんでね。それに少佐じゃねぇって』

ニヤニヤ笑うクルルを見て、皆は嘘だろ、と心の中で突っ込んだ。
「…そういうことなんで、」

『泊まる場所がないから泊めろだって〜隊長。クークックックッ』

絶対楽しんでる…、そう皆は思った。
ガルルは一見冷静に見えるが、ガルルのことをよく知っている人は、若干イラっときているのに気づいていた。

「…はぁ、ベッドは無いんで、医務室で寝てもらうことになるでありますが…」

「十分です」




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