Middle Story
□子供館長
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―朝―
開館していない朝の7時。
サカマタは館長伊佐奈を起こしに館長室へ向かった。
子供になってしまった伊佐奈は記憶がほとんど無く、覚えていることといえば魚達を人の姿にすることと、自分の左半分の顔が異形であるのと、コートの使い方くらいだ。
最後のは忘れてくれていた方が叩かれる心配をする必要がなくなったというのに。
失礼します、そう述べて入るとベッドに膨らみがあった。
どうやらまだ寝ているらしい。
「館長、起きてください」
「ん…」
体を揺さぶると目を覚ました。
今はヘルメットを外しているので、左半分の顔があらわになっている。
「朝ですよ」
「…うるさい」
サカマタに鯨の尾が襲い掛かる。
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そして、早朝会議の時間―
既に全員集まっており、来ていないのはサカマタと伊佐奈だけだった。
そして、サカマタはというと若干ボロボロになっていた。
伊佐奈はマンタの上で眠そうに座っていた。
「ギシシシ。館長に叩かれたか?」
「でらうるさい。喰うぞ」
「二人とも争いは止めたまえよ!」
「早く会議始めよーよぉ」
会議はいつものように、今日の予定の確認、新しい企画の考案。そして、いつもと違うのは…
「館長はどうやったら元の姿に戻るか…」
「へへ変なもの、食ったったんじゃないいのか?」
「館長がそんな無用心なことはしないだろう!?デビルフィッシュ殿は失礼な奴だな!」
その話の中心にいる伊佐奈は、マンタの上で二度寝中。どうやらものすごく眠たかったらしい。
「動物園の奴らが仕返しとか言って、何かやったんじゃねーの?」
ドーラクの言葉に皆は首を捻る。
動物園にそんな某猫型ロボット的な事が出来るだろうか…
「行ってみるか。陸に上がるのはでら嫌だがな」
「サカマター、どっか行くの?」
伊佐奈がいつのまにか目を覚ましていた。目を擦っているのがまた可愛らしい…
「えぇ、陸の方に」
「俺も着いてっていい?」
伊佐奈はニコっと笑ってそう言った。
そんな純粋な笑顔に幹部達は心を癒されるのだった。
結局、サカマタに抱き抱えられ伊佐奈は陸…もとい逢魔ヶ刻動物園へ向かった。
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フカとカイゾウが出てこない…orz