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【に】 2件

【ニコポン (にこぽん)】
 ニコポンとは、人を懐柔する態度のこと。処世術のひとつ。
 ニコポンの「ニコ」とは和やかに笑う表情をあらわしたニコニコの略、「ポン」は肩を叩くさまをあらわす擬態語である。つまりニコポンとはニコニコしながら相手の肩をポンと叩き、親しげにすることで人を懐柔したり、人に物を頼むという処世術の一つである。ニコポンは1913年(大正2年)に当時の首相:桂太郎に対するニコポン宰相・ニコポン主義という評に使われて流行。
 ニコポン上司など一般にも使われたが、こうした態度で人が動かせる時代ではなくなったせいか、現在ではほとんど使われない死語となっている。


【にっちもさっちも (にっちもさっちも)】
どうにもできないさま。どう勘定しても。どう工夫しても。行き詰ってどうにも出来ない時に「にっちもさっちもいかない」と使われる。
類)うんともすんとも、切羽詰る、立ち往生、土壇場、のっぴきならない、背水の陣

にっちもさっちもは、算盤(そろばん)用語が語源である。
「にっち」は「二進(にしん)」、「さっち」は「三進(さんしん)」の音が変化した語。
「二進」とは2割る2、「三進」とは3割る3のことで、ともに割り切れ、商に1が立って計算が出来ることを意味していた。
そこから、2や3でも割り切れないことを「二進も三進も行かない」と言うようになり、しだいに計算が合わないことを意味するようになった。
さらに、商売が金銭面でうまく行かないことの意味になり、身動きがとれない意味へと変化した。



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