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□ブレスレット
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「…いらっしゃい」

『どーも。』

「嬉しいです。どうぞこちらへ。」




何故、ここに
彼の家に、

来てしまったのかは、

自分でもよくわからないけど…

たぶん
何となく空也の顔が見たくなってしまったのだと思う。

呼ばれたからといって
気軽に男の家に上がるような、
軽い女じゃないんだけど




最近、空也の家に行くことが多くなって、
彼から
「愛してます」
て言われる事が多い。

それは本当の言葉だと
信じてる事は
信じてるが、
心のどこかで、
まだ仕事なんじゃないかと疑ってしまう自分もいる。

なんといっても
相手はNO1ホストであり
自分が今まで苦手としていた職業なのだから。



「…高原さん?」

『えっ??』

「ボーっとしていらっしゃいますね」

『う、ううん』



空也はある一点を見つめていた



「…これは?」


私の腕についた
ブレスレットだ


『あぁ、憂夜さんに頂いたの。』

「…憂夜さんに?」



空也の顔は曇っていた。



「……今日は、泊まって行かれては?」

『えっ?』

「帰したくありません」

『で、でも』

「構いませんから」



そういって強引に、
私は風呂に入れと言ってから
彼はキッチンへいってしまった



…怒ってるの?



仕方なく、
お風呂を借りることにした。

初めてでは無いが、
やっぱり緊張する。



既にお湯は入っていた



『…ちゃっかり準備しちゃってるじゃない』



私はゆっくり
湯舟につかった。



はあ…
なんか言ったっけ?

…怒ってるのかな。

……
…………………



考えてるうちに、
温かい蒸気のせいか
眠くなっていた。
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