BL

□菌
1ページ/2ページ




「いてっっっ!」





樹さんが大きな声を出したから、驚いて振り向くと、もう遅かった。

何かの破片を指に刺してしまったようだ




樹さんは間もなく倒れた



「樹さんっ!」

「……っ」



意識はある。



樹さんの指から流れる、
樹さんの苦手な血を、
吸った。



「よ…吉男…っやめろ」



目をうつろにしてこっちを見つめる樹さん

血の気が引いて
顔色は悪いけど、かわいいと思ってしまう。



「大丈夫ですか」



最後に指を舐めた



「…少し楽になった…」



少し休めば大丈夫だと、
ゆっくり起き上がりながら言った。



「でもきっと…また駄目になっちゃいますよ」

「…なんで?」






俺はソファから起き上がろうとする樹さんの上にまたがり、キスをした。

ほんのりと血の味がする




「…っ、おま、」

「俺、弱ってる樹さんに弱いみたい…」

「…ふざけんな」

「傷口から、たっぷり俺の菌入れときましたから」





そういってもう一度キスをする




「…やめろって」




抵抗したくても
貧血で力が抜けて出来ないらしい




「ほんとにそう思ってるんすか…?」

「…っ」




顔に血の気がもどり

少し顔を赤らめた





「お前が…」

「え?」

「お前が…お前の菌なんか入れるから…」

「!!!」




そういって
樹さんから俺にキスをした。






「………恥ずかしいことさせんなっ」





自分からしたくせに。

かわいいなぁ、、、






「樹さんかわいい…っ!!」





抱きしめる。

強く。





この菌は絶対に

体の中にいれたまま。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ