カサブランカ

□昼下がりの秘め事
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噎(む)せるような花の香の中で、深琴(みこと)は最愛の紗雪(さゆき)をその腕に抱いていた。

しどけなくボタンの外されたブラウスから覗く白い膚に手を這わせ、たわわに熟れ始めた乳房を揉みしだく。
全体を包むように、ときに先端の突起を摘み上げるように。
首の後ろから息を吹きかけ、耳朶を甘噛みする。

声を上げまいと唇を噛み締める紗雪に自分の口を合わせ、舌先で強引にこじ開ける。

「んんっ……はぁ…あん」

紗雪の頬はばら色に染まり、吐息と共に喘声が上がる。

普段の紗雪は凛として、その清楚な姿は白い百合を思わせた。
それが深琴の手によって、より甘く芳香を放ち、乱れる。
至上の時間だった。

「ああ、紗雪お姉さまぁ……素敵だわ」
「もうイヤ……深琴、放して……」
「まだですわ。ほらここにもわたしのものという印をつけてあげる」

そう言うと、果実の硬くしこった先端を口に含む。
舌先で転がしながら吸い上げ、歯を立てる。

「ああん」

紗雪から甘い声が上がる。
その声をうっとり聞きながら、深琴はスカートの裾を捲り上げ、薄い布ごしに紗雪の中心に弧を描くが、物足りなさに堪らず、手を潜り込ませる。

「ここも…もうぐっしょり……」
「止めて、そんなはしたないこと口にしないで」
「いいえ、もっと言ってあげるわ。ほら、小さなお口を開けて、もっと触ってって、まるで誘っているようだわ」
「ああっ……。深琴、もう止めて。わたくし、おかしくなってしまう――」
「おかしくなって、お姉さま。もっとよ」

深琴はひざまずくと、動きを妨げる小さな下穿(したばき)を一気に下ろし、抜き去った。
隔てるものがなくなり外界に晒された泉はそのはかなさに震えている。
構わず、深琴は指を浸していった。

紗雪の体がその動きに呼応する。

「お姉さまがいけないのよ。わたしにこんなに苦しい思いをさせるから」

言いながら新たに指を増やし、中を捏ねまわす。

「ああん……深琴……わたくしが何を――」

紗雪は眦(まなじり)に涙を溜め、嬌声を上げ続ける。

酷いことをしていると思いはするが、自分の魅力を分かっていない紗雪に、深琴は胸を掻きむしられる。

「紗雪お姉さまはわたしだけのものよ。他の誰にも微笑まないで。ご親友の奈津瑠お姉さまにもよ」

何処も彼処も自分の物。紗雪の熟れた二つの果実も蜜を湛えた叢の奥の泉も。
そして更に奥にある蕾も――。
誰にも触らせない。自分以外は。

泉の際の花芯を指先で転がす。

「ねえ、紗雪お姉さま。もっと欲しくない? ここ――」
「いらないっ……わ」

その指から逃れるように体を捻る紗雪に、深琴は嗜虐心を煽られる。

「嘘言っても駄目ですわ。お姉さまの中はわたしの指を放そうとしませんもの」

泉に埋めた指を鉤のように曲げ、中を撹拌する。

「はぁっ…あぅああん……み、深琴……」
「ほら、お姉さまの蜜が溢れてくるわ」
「そんな…っ、ああっ」

指を抜き差ししながら、花芯を弄る。

「まあ、こんなに蜜を溢れさせて。いいわ、わたしが嘗めて差し上げる。足を開いて頂だい」
「いやよ。できないわ、そんなこと」

羞恥の余りか、紗雪は足を閉じようとする。

「駄目よ。でないと嘗めて差し上げられないわ。それに早くしないと蜜が足を伝ってしまう」

それでも足を広げようとしない紗雪に、深琴は泉から指を引き抜くと奥の蕾へ滑らせた。

「深琴っ、なっ何を」

新たな行為に紗雪の声が震えている。

「分かっているんでしょ? お姉さま、こちらもお好きなんだから」
「止めて。そこは……ああっ」

蕾は待っていたかのように泉で潤った深琴の指を呑み込んでいく。

「さあ、足を開いて。後ろばかりじゃなくて前も触って欲しいって言ってるわ」

深琴は紗雪の両の脚の間に体を割り込ませると、舌を紗雪の花芯へと伸ばし、あとを断たない蜜を掬い嘗め上げた。

「お姉さまの味がするわ……」
「ああ、深琴。わたくし、立っていられないっ――」

指とは違う柔らかで濃厚な刺激に紗雪は悲鳴を上げる。

「わたしの肩につかまるといいわ。ここで横になったら制服が汚れてしまうもの」

涙混じりの声の紗雪を満足げに見上げ、深琴は言った。

花の香はいつしか薄れ、紗雪の放つ芳香が深琴を包む。

深琴は紗雪の脚の付け根の内側に所有の朱印をつけた。
それが出来るのは自分だけ――。



 
「さあ、お姉さま……午後の授業が始まるわ」

紗雪の乱れた衣服を整え、深琴は何事もなかったように言った。

「深琴……わたくし、腰が……」

熱の冷めやらない潤んだ瞳で紗雪が睨めつける。

「駄目よ。授業は出なくちゃ。それに次は舞踊の授業でしょ? 久しぶりに桂崎(かつらさき)先輩が見てくださるんですもの。えすけいぷはよくありませんわ」

「誰の所為だと思っていて? ひどいわ」
「愛していてよ、紗雪お姉さま―――――」

紗雪の言うことなど意に介さず、深琴はその唇を再び吸った。



「誰よりも……ね」
 

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