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□昔みたいに
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昔はユウジくんユウジくんって言って俺に纏わり付いてたのに
今はあんな素っ気ない態度で。
でも、謙也とか白石には懐いてて。
なんでや、いつから変わったんやお前は。
また昔みたいにユウジくんって言うてくっついて来てぇや、光。





昔みたいに






「はよーございます。」
後ろから怠そうな声がした。
振り返ると光がやっぱり怠そうに歩いてきた。
「どーしたんすかユウジ先輩らアホみたいな顔して。」
コイツ、こんなことばっかり言いよって。
つい、イラっときて俺も言った。
「お前なんやねんその態度。」
「えー、普通やないですか。あ、じゃあ俺先行きますんで。」
そう言うと光はスタスタと歩いていった。
ホンマにかわいないな、アイツ。



昔はあんなんやなかったのに。
中学入ってからあんななって・・・。
全部、俺の所為なんはわかってる。
でも・・・



中学入ってきたとき、光は俺に寄ってきてくれた。
それを俺は拒絶した。
冷たく、冷たく接した。
最初の方は光も哀しそうな顔をしてたけど、
だんだん光も俺に冷たくなってきた。
そして光は白石や謙也、銀とかと仲良くしとった。
そん時なんかやたらイライラしたし、悲しくもなってきた。
・・・やっぱ、普通に接したらよかった。
光のこと、今更好きって気付いて・・・。
ホンマに俺アホや。
でも、また光と昔みたいに仲良くしたい。








・・・昔みたいに




―fin―
 

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