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□異教徒Iの終わり
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「…シズちゃん、」

ねぇ呟いた言葉は君に届いているのかな。









異教徒Iの終わり












竜ヶ峰帝人は、目を疑った。
そこはあまりにも日常からかけ離れていたからだ。幾ら"非日常"に憧れる帝人ですらも、思考を停止したように。



「…………臨也さん…?」
そこに居たのは折原臨也だった。
少なくとも帝人はそう認識した。
帝人の問い掛けに僅かに反応し、『臨也』は其方を見る。









瞳の紅が毒々しかった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地獄の底から、地上を見下すような毒々しい色。


その手には瞳と同じに揺らめく刀が握られていた。



臨也も壁もそこに寝転がるあれも紅一色だった。

(………罪歌、?)
帝人は動くことも出来ずにただ見られていた。
『臨也』は何も云わず、瞳を咎らせていた。
だがしかし、ふと思い付いた様に
『ねぇ、シズちゃん見なかった?』
と問うた。
『見てないの?うーんじゃあまだまだ血が足りないんだね。せっかくシズちゃんと殺し合いに来たのになぁ、つまらないなぁ』
違和感。
違和感をひたすら感じた。
臨也御得意のお喋りが、違和感以外のなにも感じさせなかった。
 

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