Main

□三千世界の鴉を生かし
1ページ/1ページ


折原臨也は悩んでいた。
普段は余り表情に出さないが、今は別だ。
誰が見ても悩んでいると分かった。

「あの…臨也さん?何かあったんですか?」
それを見かねて、帝人は声を掛ける。
「え、あ…帝人君か…。いや、別に何も…なかった訳じゃないな、うん。」
「…?」
一人で納得し、頷く臨也に帝人は更に困惑の色を濃くする。

「ねぇ帝人君は恋をしてるかい?いや、言わなくても分かってるよ。あの子、園原杏里ちゃんだっけ?うんうん、若いっていいなぁ俺はもう枯れてく世代だしねぇ。あぁちょっと話題が逸れたね御免ね、えと、まぁ結論から言えば俺は平和島静雄に恋したみたいなんだよねぇ。嗚呼なんでシズちゃんなんだろう、自分でも良く分からないんだけどさ、」
よくもまぁ…口が回るものだなぁと帝人は妙な所で感心する。

ふと帝人は違和感を感じた。
何時の間にか周りの雰囲気もざわざわと落ち着きがない。

「臨也さん…貴方今なんて…」
帝人が青ざめながら囁く。臨也は帝人を真っ正面に捉えて言った。
「俺、折原臨也は人間が大好きだ!愛してる!!

スウッ

でもね何故かそれ以上に平和島静雄っていう化け物がすきなんだ!!」
きっぱりと。
・ ・
あの折原臨也が平和島静雄がすきなのだと。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ