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ウ「おっ 団長おせぇーよ!酒はほとんど飲んじまったぜ!」






ノ「お前がほとんど飲んだんだろーが!」






シャ「おかえり団長」






マ「遅かったね」





フェ「そいつ誰ね」







廃墟の中へ入るとそれぞれが名無しさんへ声をかけた



言い争いをしている2人はクロロに気づかず



分かっていた様なシャルとマチ



そして知らない男が名無しさんの横にいる事に警戒をするフェイタン








『みんなに紹介したい奴がいる、クロロ=ルシルフル、No.は4だ』






ウ「ほぉ〜 って事はジャスティンを殺ったのか!

俺はウボォーギンだ!よろしくな!」







ノ「俺はノブナガだ!」






マ「マチ」





シャ「俺はシャルナーク、よろしくね」







ク「あぁ よろしく…


名無しさん、あいつが今にも飛びかかってきそうなんだが」








指差した先には殺気を放ちクロロを睨んでいるフェイタンの姿


名無しさんは苦笑いをした








『フェイ、敵じゃないそうピリピリするな』







フェ「………」








名無しさんにそう言われ殺気は消したものの、まだ警戒している様子のフェイタンは無言で本を読み始めた




クロロはそんなフェイタンに近づいた









ク「クロロだ、フェイっていうのか?」






フェ「…………」






ク「その本 俺も前読んだ事ある、拷問が好きなのか?」







フェ「…………」









自分の方に見向きもしないフェイタンに話しかけるクロロを見て名無しさんは笑いソファーへと腰掛け煙草をくわえた



そこへシャルが近づく








シャ「強いの?」







『あぁ、かなり それに頭もよくキレる』








シャ「ふ〜ん」








シャルがクロロへと視線を移す、フェイタンに話しかけるのを諦めたのかこちらに歩いて来た








ク「嫌われてるみたいだ」







『最初だけ、すぐ慣れるでしょ』






苦笑いを浮かべるクロロを隣に招いた








『シャル お宝は?』







シャ「いろいろ見たけどやっぱり偽物みたいだよ、オーラもないし、紙質とかインクの滲み具合から最近書かれたっぽいしね」







『ハズレか…



シャワー浴びてくる』







シャ「いってらっしゃい 名無しさん」








唯一生き残っている簡易シャワーへ向かう名無しさんを見送り、手に持っていた偽物の古書を投げ捨てシャルもソファーに座った









ク「何故呼び方を使い分けるんだ?」







シャ「ん? 団長モードの名無しさんと普通の名無しさん、結構違うからさ


どうやったら人ってあんなに変われるんだろ」







ソファーにだらしなく背を預けるシャルを見ながらクロロは一体蜘蛛の団長はどんな風に変わるのか、少し関心を持った



だがそれも自分の性ならばすぐに飽きてしまうのだろう


そう考えたクロロはシャルナークが投げ捨てた書物を手に取り読み始めた








シャ「読むの?」






ク「あぁ」








偽物だと分かっていたが、偽物なりに何が書かれているのか興味があった









シャ「なんでクロロは蜘蛛に入ろうと思ったの?」








やはり偽物は偽物か、自分の考えていた物とは違った、少し残念に思いながら本を横に置いたクロロを見てシャルナークが口を開いた








ク「珍しいお宝、古書それを手に入れるのには莫大な金が必要になる、でも俺は飽きやすくてな


どうせすぐに関心が無くなるなら金も時間も勿体無い、それで効率よく手に入れられるのが蜘蛛」







シャ「なんか名無しさんと似てる、名無しさんも飽きっぽくてさ、その度振り回される俺の身にもなってほしいよ」






『それは悪かったわね』







ク「!」





シャ「うわわわ!」








突然聞こえた名無しさんの声にシャルは慌てて口を押さえ


クロロは名無しさんの姿に見入った








シャ「急に現れないでよ!……いつからいたの?」







『クロロの入団希望理由から』






シャ「あちゃ〜…」








シャルは自分の発言を後悔し額を押さえた



クロロはシャルと話している名無しさんを凝視していた








ク「(これは…)」







シャルとじゃれあう名無しさんはクロロの視線に気づかない




いつもとは違う、髪をおろした事で少し幼さが入った彼女、だが美しさは変わらず



濡れた髪から滴る雫がさらに彼女の妖艶さを引き立てていた









ク「(想像以上だな)」







無意識のうちにクロロの口元は弧を描いていた





 

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