*10000打記念小説*

□学内迷子
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尋「ここ、どこ…?」

千尋は目にじんわりと涙を浮かべていた




千尋が何故こんな事になっているのかは数分程前に遡る――



―――――――
―――――
―――




それは二時間目が終わった休み時間の事


尋「次って音楽だよね?」

千尋は目をキラキラさせて隣の席のリョーマに聞いた

リョ「……そうだけど」

千尋の様子に若干反応が遅れながらもリョーマは答えた

カチロー「千尋君音楽好きなの?」

席が近くのカチロー――基、加藤勝郎――が聞いた

尋「うん、大好きっ」

聞かれた千尋は満面の笑みを浮かべて答えた

リョーマ「ふぅん…あ、音楽って移動だったよね…?」

カチロー「うん、そうだよ」

リョーマの質問にカチローが答えた

リョーマ「トイレ行ってから行く」

カチロー「あ、僕も行く」

ガタッと立ち上がりながらリョーマが言うとカチローも行くと告げた


尋「じゃあ僕先行ってるねっ」

二人がトイレに行くと言うと千尋はニコッと笑って言った


カチロー「ぇ、でも一人で大丈夫?」

カチローが心配そうに聞くも千尋は

尋「大丈夫だよっ」

と笑顔を向けた

その笑顔に押されて少し不安が残るもリョーマとカチローはトイレへ、千尋は音楽室へと向かった


のだが――


尋「あれ……?」

千尋は歩くのを止めてキョロキョロとし始めた

そして冒頭に到る――




尋「ふぇ……分かんなくなっちゃったよぉ……」

千尋は一人で心細いのもあり今にも涙が零れ落ちそうだ


そこに


?「こんな所で何をしているんだい?」

千尋に声を掛ける人物が現れた


尋「っ、誰…?」

千尋は動揺から気配を察知出来ず驚きながら振り返った


?「驚かせてしまったかな?僕は竹中半兵衛、君は見たとこ1年生のようだけど3年の階に何か用事かな?」


そう、千尋に声を掛けたのは元さくら組を毛嫌いしている竹中半兵衛だ


尋「3年の……僕、音楽室に行きたいの……」

竹「あぁ…迷ってしまったんだね、この学校は広いから無理もない」

竹中は千尋の言葉で納得したように呟いた

竹「音楽室は此処と正反対の場所にあるよ」

尋「正反対……?」

竹中は音楽室の場所を教えたが、千尋は今居る場所が何処でどの道を行ったら良いのか分からない為首を傾げた



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