short novel
□風邪《紅×昌》
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「昌浩・・・」
寒い日が続いていた、ある冬の朝。
もっくんこと紅蓮はいつもどおりに昌浩を起こそうと、声をかけました。が・・・。
「・・・」
返事がありません。
「昌浩?」
もっくんは不思議に思って、布団にもぐっている昌浩の顔を覗き込みました。
すると・・・
「昌浩!?」
昌浩の顔は真っ赤で、息荒く必死に呼吸を繰り返していました。
そんな昌浩の様子を見た紅蓮は大慌てで晴明の元へ向かい
「晴明、昌浩の様子がおかしい!」
晴明に助けを求めました。
「なんじゃと!?」
それを聞いた晴明も大慌て。
急いで、昌浩の部屋に向かいます。
「昌浩・・・?」
そして、声をかけながら静かに昌浩の顔を覗き込みました。
昌浩はさっきと変わらず顔は真っ赤で、息荒く必死に呼吸を繰り返しています。
「なるほどの・・・」
晴明は昌浩の様子を見終えると、そんなことをつぶやいて、急ぎ露樹の元に向かいなにやら指示をし始めました。
もっくんはそんな晴明の姿をながめつつ、心配そうに昌浩をみつめていました。
しばらくして晴明が氷枕をもって登場し、昌浩の額に静かにそれをのせました。
そして紅蓮に向き合い
「紅蓮、そんなに心配せんでも大丈夫じゃ。ただの風邪だからのう。このところ冷え込んでおったから、体がついていけなくなったのじゃろう。2,3日休めばすぐ治るはずじゃ」
晴明は安心させるようにそう言いました。
「そうか」
紅蓮はほっとしたように微笑みました。
その様子をみて晴明もほっと肩をおろしました。