とある魔術の禁書目録

□危険信号
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......。
 
 
今、何故私がこんな状況にあるのかを、冷静に考えてみる。
 
 
 
いつもの様に学校へ来た私は、購買で朝食のパンとパックの牛乳を買った。
そう、確かいつものあんパンが無くて、期間限定の白桃デニッシュとかいうのを買ったんだ、うん。
 
たいてい一番乗りで学校へ来るのだが、今日はそれよりも更に早く来てしまったので、気分転換に屋上で食べる事にしたのだ。
空は素晴らしい快晴で、私は青空の下で優雅に朝食を戴いた。
それでも時間が余ってしまい、私は確か、居眠りをしたのだ。
 
...という事は、私は今目が覚めたのか。ここまでは、確かに納得がいく。
 
だが、何故
 
 
私の視界に木原先生が居るのだろうか。
 
..あー、分かり易く言えば、仰向けで私が寝ていて、木原先生が、私の顔を立って覗き込んでいる、もとい見下しているという具合だろうか。
 
「やっとお目覚めか?屑が。」
この学校の先生で、私のクラスの担任でもある木原先生は、影の差すのある笑みで私を見ている。
青筋が浮き上がっている辺り、かなりご立腹の様で。
 
「テメェは何時間ここに居るんだぁ?もう三限目だっつーの。」
「えっ、嘘!?」
「誰が嘘なんかつくかよ。」
 
そう言うと、木原先生から制裁の右ストレートが、私の頬に入った。
 
「ぐはぁ!!」
「ったく、鞄がある癖にHRに居ねぇから見に来たらこのザマだ。テメェは何様のつもりだァ?」
「え、それって心配ですか?」
「な訳ねぇだろーが。俺の評価が下がるから来ただけだっつの。」
 
うーん..何とも口の悪い。
相変わらず先生の暴力は手加減無しでジンジンして痛いし。
そんな事を考えていると、木原先生が私の横にドカッと座った。
風が吹く度に、いつも羽織っている白衣の裾が、パサパサと揺れる。
 
「あれ、先生授業は?」
「テメェに言われたかねーよ、サボる」
「大丈夫なんですか?評価。」
「どーせロクな評価されてねぇんだ。今更だろ。それよりテメェ、放課後あれだ。補習な。」
「うっわー最悪..」
「一限からサボるのがいけねぇんだろーがよ。俺の授業だったんだぞ。俺が直々に補習してやるっつってんだ。有り難く思えよ。」
 
確かにサボる意志があってサボった訳では無いが、こうなったら仕方が無い。
私は、行かなかった場合の最悪の状況を考え、素直に頷いておいた。
 
木原先生に反抗するとやって来る“木原神挙”の恐ろしさを、私はクラスメートの一方通行を見て、ちゃんと知っていた。
学園都市第一位がああなるのだから、きっと無能力者の私には、命は無いだろう。
 
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