Dream

□夏の林檎
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サアッ

冷たい風がわたしの髪をなびかせる。


わたしは、ひとり、暗い屋敷の裏を歩く。別に目的などない。ただ、歩きたくなっただけ。

ふと顔をあげる。

その先には林檎の木があった。

…新しい発見。

まだ熟していない林檎を見て苦笑する。―わたしに似ていて情けない。


―もうすぐ秋が訪れる。





「ヴィンス?」

…ここにもいないか。
何処行っちゃったんだろう?

「あ、ギルバード」

廊下を歩いていたギルバードに声をかける。ギルなら彼の居場所を知っているかも…。

「ヴィンセント、何処にいるか知らない?」

「ああ、外で見かけたぞ」

「本当?!ありがと、ギル!」

「あ、ちょ待て!」


一刻も早く彼に会いたかったわたしは駈け出した。

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