長編小説

□BertyWasImprisoned 別れ
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「お前たちもオレの腕を見てみたいのか?見ようと思ったときにはあの男と同じで顔がなくなって見れなくなってるだろうけど。」
銃を当てられている手下は震えていた。
他の手下たちも、じっと銃をアレクに向け動けない状態だった。
アレクは後ろから手下のスーツの中を探り、もう一丁の銃を左手に持つ。
右手はずっと手下の後頭部にあて、左手はもう一人の手下の頭を狙っていた。
そして、ニッコリと笑う。
「さあ、ダンスの始まりだ!」
そう言うと、両手の銃から煙が出た。
アレクの右手と左手が狙っていた手下二人がグラリと倒れこむ。
銃声が聞こえたかと思ったら、すぐに身を屈め、滑りこむようにアレクを狙っていたもう一人の手下の近くに行き眉間に打ち込んだ。

一瞬の出来事だった。
4人もの男達は声を上げる暇もなく、何もする事ができないまま血だらけになって庭に倒れこんだ。
返り血を浴び、真赤に染まった顔を袖で拭うとアレクは笑った。
辺りは硝煙の香りと血の臭いに溢れている。
緑の芝生はどす黒い血で赤黒く染まっていった。

ああ、そうだ。
この感覚、この臭い・・・・・。
オレをバカにし、オレに害を加えようとする連中は殺せばいいのだ。
アレクは空を仰いだ。
どうしようもない高揚感と開放感を感じた。


銃声を聞いた手下共がこっちに向かってくる音が聞こえる。
アレクは笑いながら門の方へと駆け抜ける。
さっさとこんな所は去ってしまおう。
退屈で窮屈な宮殿。
アレクは自由を感じた。
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