長編小説

□BertyWasImprisoned 別れ
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今までオレはオレなりに必死にやってきた。
価値がないとみなされて、ゴミでも片付けるように殺されてきた連中を見て、価値を見出す為になんでもした。
自分が一日生き残るたびに、自分には価値があるのだと思っていた。
それを!
ただオレが惨めで可愛そうな子供だというのか?
男に抱かれてきたからそう思うのか?

好きでもないのに、男が男に抱かれてきた事を世間でどんな目で見ているかぐらい知っている。
そこから脱却する為に、殺しをしてきたんだ。
それを全部無視して、ただ男に抱かれてきた哀れな子供と哀れみをかけるのか?
同情という言葉で誤魔化して、ウィリアムは限りなくオレをさげずんでいる。
そして同情に飽きたらオレをゴミのように殺すのだろう。
今のこの生活は奴の気持ち一つで変わってしまう。
明日、オレの態度が気に入らないと思えば殺すだろう。
かといってアイツはオレを抱かない。
抱かないのは、他の男に散々犯されてきたオレを哀れに思うといいつつ、汚れたものとして見下しているのだろう。
そして、オレを犯す事でオレを散々犯してきた男たちと同レベルの人間に堕ちる事に嫌悪しているだけなのだ。

オレの命はヤツの同情と言うなの軽蔑によって助けられている。
命乞いをした覚えはない。
奴のただの気まぐれ。

アレクはイライラしながら、庭に出た。
と、車を降りて門の方から来客者がいる。
ウィリアムの手下が数名ついているものの、その手下の誰よりも血の臭いを感じた。

来客者は30代半ばの男だ。
サングラスに黒のスーツ。
金髪に鍛え抜かれた体。
いかにも・・・な男だった。
男はアレクを見るとサングラスを外し、驚いた表情でアレクを見た。

「これは、まさかと思ったけれど「娼婦」じゃねえのか?お前デヴィと一緒に殺されたと思っていたがウィリアムの所に逃げ込んでいたのか。」
嫌らしく笑う男にアレクの眉間に皺がよった。
「ウィリアムに殺さないでと頼んだのか?いつものように体でも使って。綺麗な顔してるからなあ。今は本当の娼婦になったってとこか。」
男が笑う。
アレクは男を睨みつけた。
「怖い顔しても綺麗なもんだ。今のお前は武器もない田だの娼婦だろ?娼婦だったらオレの相手もしなよ。」
そう言って男は銃を取り出す。
手下の男たちもニヤニヤ笑いながら止める気配すらない。
もともとアレクの存在が気に入らなかったのだろう。
男は銃をアレクの頭に向ける。
「ほら、オレにもウィリアムにした様に命乞いしてみろよ。」
じっと動かず睨み続けるアレクを見て男は引き金に手をかける。
「さっさと跪いて咥えてみろって言ってんだよ!」
アレクはようやく動き出して男の側に来ると屈もうとする。
「デヴィのトコのビデオ見た事あるぜ?お前の大好きなお仕置き中のビデオさ。こんな子供の尻にビール瓶突っ込んでるヤツだ。お前は泣きながら男どものペニスにしゃぶりついて許しを請いていたな。」
アレクの動きが止まる。
「デヴィのヤツ、ビデオなんてとってたのかよ。」
アレクのセリフに男は笑った。
「いっぱい出回ってるよ!だからお前は娼婦って呼ばれてんだよ!大した腕もないくせに体使って殺ししてるって評判だよ!!あんなモノまでくわえ込めるんだから銃口なんて3本でも入るんじゃねえのか?」
男が開いた手でズボンのファスナーをおろそうとしている。
男が最後のセリフを言う前に、一旦屈みこんだアレクは一瞬にして男との間合いを詰め、男が手にしていた銃をあっという間に奪い取ると男の頭になんの躊躇もなく銃弾を打ち込んだ。
男の頭は至近距離から打たれたため拭きとび辺りが血で染まる。
手下たちが驚いて自分の銃を取り出そうとしたときには、すでにアレクは手下の一人の後ろに周り込み手下の後頭部に銃を当てていた。
「あんたもああなりたい?」
アレクは笑って言った。
頭から返り血をあび、綺麗な顔が血に染まっている。
アレクは笑った。
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